日本市場でツーリング初のMモデルが誕生した。それがM3ツーリングだ。ハイパワーなコンペティションのみの設定だが、 BMWのツーリングモデルならではの使い勝手をそのままに、M3セダン譲りの圧倒的な走行性能が魅力である。(Motor Magazine2023年9月号より)

M3セダンとは異なる手法で煮詰められた

実用性に富んだ3シリーズツーリング(G21)にMハイパフォーマンスモデルが登場した。M3コンペティションM xDriveツーリング(G81)である。

画像: ツーリングとはいえ、Mモデルならではのボディ造形はスポーツカーそのもの。

ツーリングとはいえ、Mモデルならではのボディ造形はスポーツカーそのもの。

1990年代にはビッグシックスと呼ばれる直列6気筒を搭載したM5ツーリング(E34)があったが、当時日本には導入されなかったから、日本市場ではMモデル初のツーリングになる。もちろんM3セダンと同じようにオーバーフェンダーによって全幅は80mm広がり、ツーリングとはいえ精悍だ。

こんなクルマが欲しかったという方も意外と多いのではないか?筆者もまだ子供が小さかったころに乗っていたのが320iツーリング(E91)だったので、その便利さはよく知っている。

ツーリングはセダンのトランクよりラゲッジルームの高さがあるので大きめのものでも気軽に積み込める。とくにリアシートのバックレストを倒せば1510Lの容積になり、長尺物も搭載できる。リアゲートはリアワイパーが付いたガラス部分だけ開け、小さな荷物なら取り出すこともできる。

ラゲッジルームにはトノカバーが付くので、駐車中に外から覗かれても荷物は隠せる。またセダンのようにルーフが後ろに向かって下がっていかないから、後席ドア上部の開口部は広くなり乗り降りが楽になるというメリットもある。

ツーリングの場合はセダンとは違う条件でサスペンションのチューニングを行っている。セダンの場合には1、2名乗車がテスト時の荷重のベースになるが、ツーリングでは3名乗車+ラゲッジルームの荷物という設定が基準になる。だからセダンよりツーリングの方がややリアサスペンションが硬めに感じられることがある。

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