ポルシェ カレラGT(PORSCHE CARRERA GT:2003-2006)
![画像: そのスタイリングは、1970年代のレーシングポルシェ、917をモチーフにしたといわれる。デタッチャブルトップも採用。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2023/08/28/878b60d3c70c9a5e5ec603e1c93b05674a582b85_xlarge.jpg)
そのスタイリングは、1970年代のレーシングポルシェ、917をモチーフにしたといわれる。デタッチャブルトップも採用。
ポルシェが2000年のパリ モーターショーで発表したコンセプトカー「ポルシェ カレラGT」。その完成度の高さからして、市販化は間違いないないだろうと思われていたが、その車名のまま市販モデルが登場したのは、2003年のジュネーブ モーターショーだった。ポルシェのコードネームでは、タイプ980となる。
1970年代のレーシングポルシェ、917をモチーフにしたといわれるスタイリングは、コンセプトカーと大きく変わることはなく、ライト類などのデザインが少し変更された程度。いちばんの違いは、デタッチャブルトップを採用したことだろうか。キャビン、パワートレーンを搭載するためのリアサブフレーム、そしてボディパネルに至るまでカーボンファイバーが用いられていた。
コクピットの後ろにミッドシップ搭載されたエンジンは、68度のバンク角が与えられたV型10気筒DOHC。このエンジンはル・マン制覇のためにポルシェが開発していたものだったが、諸般の事情で日の目を見なかったユニットだ。開発当初の排気量は5.5Lだったが、カレラGTには5.7Lにスープアップされて搭載された。潤滑方式はドライサンプ。最高出力は612ps、最大トルクは590Nmを発生した。
このパワーユニットに組み合わされたトランスミッションは6速MTで、最高速は330km/hと公称された。リアエンドには速度感応式のウイングが備わり、車速が120km/h以上になると160mmライズアップしてダウンフォースを増し、高速時の安定性に寄与していた。
インテリアでは、左右のシートをセパレートする大きなセンターコンソールが特徴的だが、このインテリアデザインはのちのパナメーラや911などと共通性を感じさせる。そのハイパフォーマンスから想像されるほど室内はレーシーではなく、いかにもポルシェらしい、快適装備も備えたハイクオリティな高級スーパースポーツカーといったイメージだった。
だが、ハイパフォーマンスゆえに限界が高く、しかも限界域でのコントロールには相当のスキルが必要とされた。まさに乗り手を選ぶスーパー ポルシェのカレラGTは1500台限定生産の予定だったが、2006年5月までに1270台で生産を終了した。
![画像: ブレーキにはセラミックディスクや6ポットキャリパーを採用し、超高速からの強大なストッピングパワーも与えられている。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2023/08/28/7b0128e768d81dfa5c1f4cb783949fb66535495b_xlarge.jpg)
ブレーキにはセラミックディスクや6ポットキャリパーを採用し、超高速からの強大なストッピングパワーも与えられている。
ポルシェ カレラGT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4631×1921×1166mm
●ホイールベース:2730mm
●車両重量:1380kg
●エンジン種類:68度V10 DOHC
●総排気量:5733cc
●最高出力:612ps/8000rpm
●最大トルク:590Nm/5750rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・92L
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前265/35ZR19、後335/30ZR20
![画像: amzn.to](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2023/08/28/415b5c22e2a9ed8022c63f0602236a2614bb4a97_xlarge.jpg)