クロストレックの兄弟車でもあるスバルのスタンダードモデル、インプレッサ。その違いと進化した走り、さらには最新アイサイトの実力を確かめるべくクルマを走らせた。(Motor Magazine2023年10月号より)

クロストレックと同一のパワートレーンながら若干上回る公表燃費

SUVが人気の昨今、販売台数としてはクロストレックのほうが多くなることが予想される。しかし、だからこそ後発のインプレッサには、クロストレックにはないインプレッサならではの「存在意義」が与えられている。

画像: 乗ってまず感じるのは視界の良い眺め。センターインフォメーションディスプレイは大きく操作もしやすい。

乗ってまず感じるのは視界の良い眺め。センターインフォメーションディスプレイは大きく操作もしやすい。

まずエクステリアの雰囲気が違うのは見てのとおり。アウトドア色を強めたクロストレックに対し、インプレッサはスピード感溢れるスポーティなスタイリングだ。SUVテイストよりこちらを好む人もいるだろうから、こうして選べるのは良いことだと思う。

機構面では共通性が高く、大幅に進化した第2世代のSGP(スバルグローバルプラットフォーム)を基本骨格としているのは同じで、ボディサイズや最小回転半径、車両重量はやや小さくなっている。搭載するパワートレーンのe-BOXERのスペックは同一ながら、燃費の公表値では若干上回っている。

シートに収まると、まず全方位にわたり良好な視界が確保されていることを実感する。助手席側のドアミラーまわりの死角は小さく見通しが良い。後方もリアクオーターに小窓が設けられているので助かる。さらには、前後席とも十分に居住性が確保されていたり、荷室の積載性が想像以上に優れていたりと、パッケージングの巧みさにも感心する点が多い。

クラスの近い競合車と比べても、このあたりがインプレッサほど配慮が行き届いているクルマというのはなかなか見当たらない。

試乗車は、ダークメタリック塗装のアルミホイールを標準装備し、よりスポーティなイメージをアピールする「ST-G」グレード(AWD)に、本革シートやナビゲーション機能などのオプションを装着した仕様だが、これで2番目のグレードとは思えないほどに高い質感も印象的であった。

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