これまでe-tron/e-tronスポーツバックと呼ばれていたモデルに改良が施されて進化、それにともないQシリーズのフラッグシップとなるQ8のモデル名が付けられることになった。(Motor Magazine2023年11月号より)

懐かしの2台をお目当てに一路「アウディミュージアム」へ

すでにドイツ本国では街中を走っているQ8 eトロンだが、日本へのプレスカーの導入が少し遅れているため、Q6 eトロンのスニークプレビューとIAA取材の間に1日借りて試乗した。

画像: 新型Q6 e-tronと同様にBピラーの下部分にモデル名が表記される。また「S」バッジのデザインも変更された。

新型Q6 e-tronと同様にBピラーの下部分にモデル名が表記される。また「S」バッジのデザインも変更された。

そもそもこのQ8 eトロンは、これまでeトロンと呼ばれていたが、BEVラインナップにQ4やQ6が揃うことになり、改良を機にQ8と名乗るようになった。当然、アウディSUVのフラッグシップというポジションである。

ところでそのeトロンには、デビュー前にアブダビでの国際試乗会に参加、日本導入後も何度か試乗して、パフォーマンスの素晴らしさを感じていた。

さて今回は、そんなQ8 eトロンにじっくり乗ることができたのだが、久しぶりにそれも異国で対面したときは、モデル名こそ新鮮だがなぜか懐かしさがこみ上げていた。さっそくハンドルを握った。すると「そうそう、これこれ」という言葉が自然と口から漏れてくる。運転席から見えるのは、まさしくアウディそのもの。どこにも違和感が感じられない。

テストドライブの目的地は、アウディの本拠地インゴルシュタットにあるアウディミュージアムである。かつて1980年代後半から90年代にアウディ80(B2型)→100(C3型)と乗り継いだことがあり、その2台に久しぶりに対面したかったのだ。

この2モデルは当時、結構人気があり日本でも多く走っていたが、今ではほとんど見かけることがない。でもアウディの本家本元のミュージアムであれば、見られるはずだ。

出力300kWの急速充電は日本では経験できない快適さ

充電残量80%でミュンヘンを出発しアウトバーンを走りインゴルシュタットまでQ8 eトロンで走った。距離はそれほど遠くないので、WLTCモードの一充電走行距離501kmを持つQ8 eトロンは充電しなくても楽に往復できる。しかしせっかくならドイツの充電事情も取材しておきたい。

画像: アウディミュージアムの駐車場には数多くの普通充電器があり、館内やレストランを楽しむ間に充電できる。

アウディミュージアムの駐車場には数多くの普通充電器があり、館内やレストランを楽しむ間に充電できる。

アウトバーンの大型PAでの充電後、アウディミュージアムの駐車場では、普通充電器に繋いだが、見学とカフェで食事の間に、充電残量が100%に回復した。

街中での急速充電も体験した。Q8 eトロンの地図に急速充電スポットを表示させ宿泊しているホテルからそれほど遠くない、ミュンヘン郊外の急速充電へ。そこの出力は300kW。150kWまでしか急速充電がない日本とは違い、早くて快適な充電ができる。BEVを本格的に普及させたいのであれば、日本も法整備を含め、このあたりを真剣に考える時期にきているのではないだろうか。

さてQ8 eトロンとのミュンヘンーインゴルシュタット間のドライブは、ACC制御の自然さに加え、静粛性が高く、熟成が進んだことを実感した。また足まわりは、選択すればコンフォートにもスポーツにもなり状況に合わせた走りが選べることも魅力。BEVとしてSUVとしてもクルマとして完成度が高いことがよくわかったドイツ試乗だった。改めて日本で取材できる日が楽しみである。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:アウディジャパン)

アウディ Q8 スポーツバック 55 e-tronクワトロ Sライン主要諸元

●全長×全幅×全高:4915×1935×1620mm
●ホイールベース:2930mm
●車両重量:2600kg
●モーター最高出力:300kW(408ps)
●モーター最大トルク:664Nm
●バッテリー総電力量:114kWh
●WLTCモード航続距離:501km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:255/50R20
●車両価格(税込):1317万円

This article is a sponsored article by
''.