BMW XシリーズのX5が2023年4月の大幅改良によって、Mモデルを含めた全ラインナップが電動化された。その中で、もっとも注目したいのが伝統の直6エンジンにPHEVシステムを搭載したxDrive50e(以下、50e)である。試乗を通して感じた、シルキー6の魅力とは何か。それをじっくりと堪能することができた。(Motor Magazine2023年11月号より)

LCIで大きな進化を見せたハンズオフ機能付きACC

BMWといえば、シルキー6。そう囁かれた時代は過ぎ去り、電気自動車(BEV)がその上をゆく滑らかさを持つということを私は知った。と、iXに乗った時にそう確信したはずだった。だが、このX5 50eに乗って、シルキー6の魅力とはエンジンの滑らかさである、としか認識していなかった自分の浅はかさに気づかされた。

画像: パワーを増強した50eは3L直6ツインターボ×PHEVを搭載。システムトータル出力360kW(489ps)を誇る。

パワーを増強した50eは3L直6ツインターボ×PHEVを搭載。システムトータル出力360kW(489ps)を誇る。

今回試乗したX5は、大幅改良を受けた、すなわちLCI(ライフサイクル インパルス)モデルである。現行のG05型の登場は19年なので、4年の月日を経てLCIモデルが登場したわけだが、この改良ぶり、とりわけ走行性能の進化が想像以上だった。

エクステリアは、最近のBMWWに合わせた化粧直し程度にとどまる。たとえば、矢印型のフロントデイライトや、Xシリーズであることを強調するX字型のリアコンビネーションランプなどだ。これで、より大胆な意匠を手に入れた。

インテリアは、こちらも最近の時流に合わせて、巨大と言っていいほど大きなカーブドディスプレイやトグル式ギアセレクターなど、iXから始まった新しいデザイン言語を採用。一方で、見た目以上の変化は見られなかった。

だが、走行に関わる進化は大きかった。ADAS関連では、現行型の登場当初から備わるハンズオフ機能付きのACCに進化が見られた。前期型では、ハンズオフの準備が整うとステアリングボタンの「MODE」を押す必要があったが、新型では準備が整ったのち、ステアリングホイールから手を離すと作動するようになった。

これがとても使いやすく、そして先進性をより感じる仕上がりだった。また標準のエアサスペンションがもたらす快適性も、大きな魅力だ。

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