2023年9月6日発表の数日前に行われた公開予告では「センチュリーの新モデル」と謳われていたが、実際に壇上に現れたのはセダンではなく、堂々たる体躯を持つフルサイズSUVだった。「これが本当にセンチュリーか?」と思いもしたが、会場で説明を聞くにつれてその疑問も解消していった。(Motor Magazine2023年11月号より)

ボディ形状に関しては一切の説明なし

画像: これからのショーファードリブンを担うのはSUVタイプのクルマなのだろうか。新型「センチュリー」は、それを暗示しているようだ。

これからのショーファードリブンを担うのはSUVタイプのクルマなのだろうか。新型「センチュリー」は、それを暗示しているようだ。

国産車においてショーファードリブンといえば、センチュリーや日産プレジデントなどセダンタイプが主流だった。しかし近年、アルファードをはじめとする高級ミニバンや、レクサスLXのようなラグジュアリーSUVの台頭により、ショーファードリブンに求める性能が徐々に変化してきた。

そこでトヨタはセンチュリーを次なるステージへ高めるため新しいボディタイプで開発、今回発表されたのが新型である。そのシルエットは長いボンネットフードと高いルーフを組み合わせた2ボックスタイプで、一般的にはSUVと称されるボディ形状だ。

しかしトヨタは、新型センチュリーをSUVやクロスオーバーなどとは一切説明していない。というのも、ショーファードリブンというジャンルは今後SUVをメインとしたマーケットになっていくと予測、先んじてショーファードリブンの象徴である「センチュリー」の名を新型に与えたというわけだ。

2018年に発売された3代目センチュリーはといえば、「セダンタイプ」というサブネームをつけて継続販売されることになる。

パワートレーンは3.5L V6搭載のプラグインハイブリッド

画像: 写真のセンチュリーはフルオーダーシステムで仕上げられたGRMNモデルでスライド式のリアドアを採用する。

写真のセンチュリーはフルオーダーシステムで仕上げられたGRMNモデルでスライド式のリアドアを採用する。

話を新型に戻そう。プラットフォームはセダンタイプとは異なり、アルファードやレクサスRXに採用されるTNGAのGA-Kをベースに、リアセクションを専用開発したもの。搭載されるパワートレーンは3.5L V6エンジンと、前後ふたつのモーターを組み合わせた新開発のプラグインハイブリッドシステムだ。

太いリアピラーやボディサイドを前後に貫くように走る深いプレスラインなど、シルエットは違えどセンチュリーらしいエクステリアデザインは継承される。

そして塗装面を磨き上げて独特の発色とする「鏡面磨き」や、極微細な彫刻を施された「鳳凰エンブレム」などは〝匠〞の手によって仕上げられ、トヨタのモノづくりの哲学を色濃く表現している。

ちなみに本モデルは海外からのオーダーにも対応し、列強のライバルたちと対峙することになる。(文:Motor Magazine編集部 蔭山洋平/写真:伊藤嘉啓)

トヨタ センチュリー主要諸元

●全長×全幅×全高:5205×1990×1805mm
●ホイールベース:2950mm
●車両重量:2570kg
●エンジン:V6DOHC+モーター
●総排気量:3456cc
●最高出力:193kW(262ps)/6000rpm
●最大トルク:335Nm/4600rpm
●モーター最高出力:前134kW 、後80kW
●モーター最大トルク:279Nm 、169Nm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:4WD
●車両価格(税込):2500万円

This article is a sponsored article by
''.