「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォルクスワーゲン ザ・ビートルだ。

DCTを採用する日本仕様は、さらに運転しやすいだろう

画像: ステアリングの応答は大らかで、安定したコーナリングを見せるがどことなく温和なところがビートルらしい。

ステアリングの応答は大らかで、安定したコーナリングを見せるがどことなく温和なところがビートルらしい。

室内に乗り込んでみると、低く見えたルーフが実は12mmも高くなっており、ゆとりのある頭上空間を実現している。全長が15mm延びたことでリアの曲線を初代のようにできて、後席の頭上空間にもかなり余裕があった。

インテリアでは、助手席の前に初代のような「ビートルボックス」が復活していたり、ドリンクホルダーや小物トレイが充実していたり、遊び心と実用性が両立しているところが心憎い。ラゲッジスペースも最大容量が905Lと大きめなので、ファミリーユースでも問題なさそうだ。

さて、おとな3人乗車でリスボンの海沿いを走ってみると、発進から穏やかな加速だが、強めに踏めばあっという間に高速域に達する力強さもある。ステアリングの応答は大らかで、カーブではがっしり感を保ちつつもそれほど鋭いコーナリングをするわけではなく、どことなく温和なのがビートルらしい。また、左右の視界が良く車幅感覚がつかみやすいのも嬉しいところ。日本仕様はDCTになるので、さらに運転しやすいだろう。

日本での正式発売は2012年6月。4月中にまず「デザイン」のレザーパッケージ(303万円)から先行受注が始まり、少し遅れてファブリック仕様が入る。年内にはカブリオレの登場も予定されるなど、ザ・ビートルは今後も楽しませてくれそうだ。

画像: ゴルフのエントリーグレードと同じ1.2LのTSIエンジンを搭載。105ps/175Nmのパワースペックは1280kgの車両重量には不満ない。

ゴルフのエントリーグレードと同じ1.2LのTSIエンジンを搭載。105ps/175Nmのパワースペックは1280kgの車両重量には不満ない。

フォルクスワーゲン ザ・ビートル 1.2TSI(日本仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4270×1815×1495mm
●ホイールベース:2535mm
●車両重量:1280kg
●エンジン:直4 SOHCターボ
●総排気量:1197cc
●最高出力:77kW(105ps)/5000rpm
●最大トルク:175Nm(17.8kgm)/1500-4100rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・55L
●JC08モード燃費:17.6km/L
●タイヤサイズ:215/60R16
●当時の車両価格(税込):250万円

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