フルBEVの成功をうけて、ラインナップを拡大
2022年10月のパリオートサロンでワールドプレミアされた「ジープ アベンジャー」は、フルBEVのコンパクトSUVとして登場した。イタリアで開発され、ポーランドのティヒ工場で生産されるなど、ヨーロッパ市場を意識したモデルで、欧州のジャーナリストからの評価も高く、2023年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。
ボディサイズは全長4.08m、全幅1.78m、全高1.53m、ホイールベース2.56mと、レネゲートよりもコンパクトで、欧州市場のニーズを見据えているのはここからも明らかだ。
そんな「ジープ アベンジャー」に、今回、1.2L マイルド ハイブリッド (MHEV) ガソリンエンジンとモーターを内蔵した6速 e-DCS6 デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせた「e ハイブリッド」が設定されて話題となっている。また同時に、3気筒1.2Lガソリンターボエンジンを搭載した「アルティチュード プラス」も限定車として設定されている。アベンジャーはフルBEV専用車と言われていたが、そうではなかったということだ。
プラグインハイブリッド「4xe」とはまた異なる電動化
アベンジャーシリーズに追加設定された「e ハイブリッド」は、最高出力100psの3気筒1.2Lガソリンターボエンジン、48 ボルトのリチウムイオン バッテリー、革新的な6速デュアルクラッチ電動ギアボックスで構成。このギアボックスには 21kW の電気モーター、インバーター、トランスミッション ユニットが収容されていて、これらが連携してパワーユニットを制御する。
モーターのアシストにより低速域のトルクが増強され、発進後、シームレスにエンジン駆動に移行する。減速時や回生ブレーキによるエネルギー回収も高められ、最適な燃料効率を実現するように設計されたエンジンもあって、内燃機関のみと比較して CO2排出量を最大 15% 削減することに成功したという。
グランドチェロキーなどに導入されているプラグインハイブリッド「4xe」とはまた異なる電動化の道筋としても注目される。