トヨタ自動車は2023年12月19日、新型クラウン スポーツのプラグインハイブリッド車(PHEV)を発売しました。「楽しい走り」のための味付けだけでなく、ツアラーとしてのロングディスタンス性能まで磨かれているようだ。

ショートホイールベースに合わせてDRSをセッティング

2.5L直4ユニットに出力密度の高い駆動用モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムは、スポーツらしい走りを実現する要。システム最高出力は225kW(306ps)に達し、シームレスかつ力強い加速を実現しているという。

画像: HEVに対して、駆動用フロントモーターをより高出力化。PHEVならではの高効率化が施されている。最高出力はクロスオーバーの2.4Lデュアルブーストハイブリッドに及ばないものの、意のままに操る性能では上回るかも。

HEVに対して、駆動用フロントモーターをより高出力化。PHEVならではの高効率化が施されている。最高出力はクロスオーバーの2.4Lデュアルブーストハイブリッドに及ばないものの、意のままに操る性能では上回るかも。

WLTCモードは、満充電状態でEV走行距離は90kmを、ハイブリッド燃費は20.3km/Lを達成している。ガソリンタンク容量も55Lを確保しているので、単純計算では、航続距離は1,200km以上を実現していることになる。ちなみにHEVは21.3km/L×50Lで、約1170kmになる計算だ。

システムに組み合わされるエンジンは、A25A-FXSでHEVと変わらない。ただし最高出力はPHEVの方がやや絞られている(HEV:186ps→PHEV:177ps)。

一方でフロントモーターの出力/トルクはHEV:120ps/202Nmに対しPHEV:182ps/270Nmと大きく差がっつく(リアモーターは変わらず54ps/121Nm)。強大なトルクは、E-Four(電気式4WDシステム)によって最適に4輪に配分される。

クロスオーバーと同様にDRS(ダイナミックリアステアリング)機構を備えるが、セッティングはスポーツオリジナルのもの。短いホイールベースに合わせてゲインを下げ気味とすることで違和感を抑制しているのも、スポーツらしいこだわりだろう。

画像: 大容量リチウムイオン電池を車体中央の床下に配置。空間性能、ユーティリティ性能ともに犠牲にはしていない。

大容量リチウムイオン電池を車体中央の床下に配置。空間性能、ユーティリティ性能ともに犠牲にはしていない。

開発者によればとくに、ハンドルを切り出していく時のリニアリティや素直さが違うという。クラウンらしい上質感に加え、これまで以上の一体感を狙ったセッティングと言えそうだ。

サスペンションに関しても、クルマとの対話を重視して最適化が施された。さまざまなキャリブレーションによって、卓越した走行安定性を実現するとともに、コーナリング中をはじめ、降雪時や雨天時の走行においても安心感を向上させている。

快適性に関しては、路面状況や運転操作に応じてショックアブソーバーの減衰力を4輪独立で制御するAVS(Adaptive Variable Suspension)を採用。しなやかな動きとともに、ドライバーにしっかりとした接地感を伝えてくれるという。

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