乗り心地は良く、静粛性も高くて車内は快適だ
カードキーをセンターディスプレイ下部のコンソールに置くとシステムがオンになります。シフトレバーはなくなりましたが、シフトセレクターはセンターディスプレイの右上にちゃんとある・・・いや表示されています。
ブレーキを踏みながらクルマのマークを上にフリックすると「D」レンジに、逆に下にフリックすると「R」レンジに入り走り出すことができます。ます。また、「P」と「N」の各レンジには表示されているこれらの文字をタップします。この操作感は新型モデル3に乗るまで体験したことがない、新鮮な体験でした。
走りは極めて快適です。まずはお台場近辺の市街地を走ってみたのですが、改良前よりも乗り心地がマイルドになっています。また、前回試乗したフロントにモーターがないRWDと比べると、やはりフロントが少し重い印象を受けます。ただし、これは決して軽快感をスポイルするものではなく、むしろ前輪をしっかりと路面に押し付けて接地感と安定感を与えているように感じました。
また電気自動車(BEV)で大切なことが静粛性です。エンジン車とは異なりメカニカルノイズが少ないBEVでは、その静かさゆえに車外から入ってくる音やロードノイズがとても気になることがあります。モデル3はウインドウに2層のアコースティックガラスを採用していることもあって、車内は静かです。
動力性能は同じクラスのエンジン車では考えられないほどハイレベル
続いて首都高に入ってみます。以前乗ったモデル3でもそうでしたが、エンジン車に慣れた身からするといつも驚かされるのはその強烈な加速です。ETCゲートをくぐり抜け、登り坂になった本線へのアプローチを進む際にも「底なしか!?」と思うほどに力が出てきてぐんぐん加速していきます。
ただしこの加速力は、運転している本人はいいのですが、アクセルワークを間違えると同乗者が驚いてしまうほどの速さなので少し注意が必要かもしれません。
それもそのはず、試乗車のロングレンジAWDのシステム最高出力は331kW(450ps)、システム最大トルクは559Nm(57.0kgm)もあるのです。これは5L級のエンジン車に匹敵するスペックです。
しかも重くなりがちなBEVでありながら車両重量は1800kg台に抑えられ、前後重要バランスは車検証の数値を見るとフロント50(前々軸重920kg):リア50(後々軸重920kg)とまるで本格的なスポーツカーのようなバランスの良さなのです。
実はこの試乗の際には500ps超えのスポーツカーの取材も同時に行っていたのですが、そんなクルマでも新型モデル3の加速にはついてこられない、というシーンが何度かありました。