トルク特性が素直で回転の伸びも良好
4速手動ギアボックスは、ポルシェタイプのボークリング・フルシンクロ式である。クラッチもコイルスプリングから、ダイヤフラムスプリングに代えて強化をはかり、フェーシング表面積も拡大されている。

ほとんど手作業のボディと同様、インテリアも手間がかかっている。ウッドの3本スポークステアリングはこの頃のスポーツカーの定番だ。インパネも機能美溢れる。
スタイリッシュな2シータークーペゆえにあまりスポーツカー的イメージはないが、実際の動力性能は確かなものがあった。SUツインキャブ(日立製)の1.6 Lは基本的にフェアレディ1600と同じで、トルク特性が素直で伸びも良かった。
シャシはSP310(後にSP311)とほぼ同一のX字補強メンバー付きのラダータイプで、前輪はダブルウィッシュボーン/コイル独立懸架、後輪はリジッド・アクスル/半楕円リーフ・スプリングの組み合わせと常識的なレイアウトとなっている。前輪には、ダンロップのMKII型ディスクブレーキが装着された。車内はとにかく快適性が高かった。シートの仕立てもきちっとしていたし、操作系のレイアウトが整理されていた。
車両価格は発表当時でも120万円と、SP311 (1600)が88.6万円、セドリック・スペシャル6(ベースモデル)が115万円であることを考えると、かなり高価なモデルだった。 当時世界のスポーツGTカーが2+2座モデルを競って発表しているとき(ジャガーEタイプ、MGBなど)、2座のシルビアはやや性格があいまいなクルマという評価もあり、結局その総生産台数は554台にとどまった。

走りを支えるタイヤは14インチのバイアス構造のタイヤ。 4プライ(カーカスコード4枚重ね)という当時の乗用車としては一般的な作りとなっている。