セダンをはじめとするグローバルスタンダードとして、常に注目を浴びているD/E/Fセグメントにスポットを当てる。「今」の時代を象徴する新機軸が誕生し続けてきたカテゴリーだけに、それぞれのメーカーごとの個性もまた、際立っている。(Motor Magazine2024年2月号より)
BMWは大型セダンの電動化を進めていく
一方、搭載する全エンジンにマイルドハイブリッド機構をアドオンした上でBEVバージョンも新設という戦略がいかにも今という時代を感じさせるのが、約7年ぶりのフルモデルチェンジによって8代目となったBMW5シリーズ。
ただし、日本導入モデルに搭載されるエンジンはガソリンもディーゼルもターボ付きの2L直4ユニットのみに限られ、仕向け地によってはまだ設定される伝統の直6ユニットが除外されているのは何とも残念である。
BMWといえば、2022年に登場し、見た目のコンセプトも大変貌を遂げて話題となった新しい7シリーズのBEV、すなわち「i7」シリーズに、後2輪駆動モデルと「Mハイパフォーマンスモデル」が追加設定されたことも2023年のニュース。
前者「eDrive50」は、最高出力455ps/最大トルク650Nm。さらに0→100km/h加速タイムは5.5秒を達成。続いて後者「M70 xDrive50」は前輪に最高出力258ps、後輪に489psを発揮するモーターを搭載し、システムトータルでの最高出力が659psに達し0→100km/h加速はわずかに3.7秒でクリアする。
プレミアムブランドの作品らしく駆動用バッテリーの総エネルギー量はともに105.7kWhという大容量を誇っており、Mの名に相応しい高性能ラグジュアリーが誕生した。(文: 河村康彦)