注目ポイント① 老若男女に愛されるカッコかわいいデザイン
デリカミニはその名の通り、三菱が長年にわたって愛され続けるミニバン型SUV「デリカ」のイメージを軽自動車に反映させた「ミニ」版と言えます。
ですがフロントデザインを見ると、三菱のダイナミックシールドを採用しながらも兄貴分の「デリカD:5」のような精悍で煌びやかさはあまり感じません。すなわち「ギラギラ」していないということです。デリカミニの登場までは「ekクロススペース」というモデルがその役割を担っていましたが、それはまさしくデリカD:5のフロントマスクを継承したギラギラとした印象でした。
実はこのekクロス スペース、三菱「らしさ」があまり感じられないということで三菱社内でも反省の声があったそう。改めて三菱らしさとは何か、デリカとは何かについて議論がなされた結果として、かつての三菱の財産であるパジェロや歴代デリカなどからデザイン要素を集め、再解釈し直したデリカミニが想像されました。
デリカミニのデザインは、SUVらしいタフさは感じさせながら、どこか「ミニ」を名乗るがゆえの可愛らしさも感じさせます。三菱はこのデザインを「やんちゃ坊主」と定義していますが、確かにそう呼ぶに相応しいカッコかわいく仕上げられていると思いました。
ちなみに、このデザインにおける技術的なこだわりを一つ紹介させてください。SUVらしさを表現するためにはホイールアーチを囲うように樹脂パーツを装着するのがデザイン上の通例ですが、軽自動車の定められた最大寸法にすでに到達しているボディ骨格では当該パーツを大きく配することができません。
そこで三菱のエンジニアは、ボディカラーの工夫によって視覚的なSUVらしさの表現を実現しました。が、そこには大きな障壁があったといいます。というのもホイールアーチ部分のみを「上」からブラック塗装すると、経年劣化によって次第に剥がれてしまう恐れがあるため品質の担保ができなかったというのです。
そこで三菱は、塗装の順番を入れ替えることでこの問題を解決しました。つまり、あらかじめホイールアーチ部分を黒塗りしたのちボディカラーをそれ以外の部分に塗装することで、ホイールアーチ部分の塗装の膜が「下」になるように処理を施しました。これによって品質を確保しながらSUVらしいデザイン表現を叶えることができました。
かくして老若男女に親しまれる「カッコかわいい」が完成しました。これだけエクステリアデザインにこだわったと知ると、さらにデリカミニに愛着が湧くこと間違いなしです。