注目ポイント② さらに機能性を増した室内空間
実はこのデリカミニ、名前こそニューモデルですが、実は2020年に登場した「ekクロススペース」の大幅改良モデルに相当します。つまりインテリアの大部分は変更が見受けられません。さらに、ekクロススペースに設定のあった「プレミアムインテリアパッケージ」もデリカミニには用意がなく、ステッチ加工された高級感あるダッシュボードなどの豪華仕立ては無くなってしまうという残念な側面もあります。
ですが、一方で「デリカ」の名に相応しい機能性を向上させているのが注目ポイントです。例えばラゲッジルームは樹脂仕様のラゲッジボードと塩化ビニール仕様の後席シートバックを設定することで、泥汚れなどを気にせず積載できます。また濡れたものを置いてもシミにならず、サッと拭き取ることができるのも美点です。
続いてシートは全車ファブリック生地と合成皮革のコンビシートを採用しています。質感の高さもさることながら、撥水加工が施されているので座っていて蒸れにくくなっているのが嬉しいポイントです。
さらに細かな変更点を見ると、ekクロススペースには無かったドリンクホルダーのフラップが採用されたことで、サイズを問わずにドリンクを固定することができるようになりました。こういった細かな改良によって、使い勝手が向上しているのは朗報と言えます。
注目ポイント③ どっしりとした安心感のある乗り味
肝心の走りは、想像以上に安心感あるものでした。軽スーパーハイトワゴンをベースに、さらに車高が高められているデリカミニは全幅が1475mmに対して全高が1830mmもあります。乗っていて車体がフラフラしないか、正直試乗前には心配していました。
ですが、その心配はすぐに晴れました。落ち着いたステアフィールと少し硬めの足回りは、寸法から想像するよりずっと車幅が広いような感覚を覚えました。これは試乗した四輪駆動モデルにおいて、軽自動車では珍しい大径タイヤを装着していることが所以と思われます。オフロード走行を想定して大径タイヤを採用しているのですが、一般道路や高速道路といったオンロード走行においてもその恩恵を受けることができました。
また専用開発のショックアブソーバーを前後に装着していることが功を奏したのか、路面からの突き上げに対してショックが緩和されているように感じました。それは決してふわふわしているわけではなく全体として引き締まっている乗り味です。が、嫌なカドが取れているという好印象な走行体験でした。
したがってデリカミニの走りは、高い運転姿勢とどっしりとした安心感ある乗り味によって「デリカ」感を存分に味わうことができます。