ワインディング路を走ると、マクラーレンのエンジ二アリングの素晴らしさの片鱗を感じることができる。（Motor Magazine2024年2月号より）
パフォーマンスのすべてをサーキットで味わいたくなる
インテリアに目を移すと、新しいドライバー用ディスプレイを採用、ステアリングコラムに固定されている。その左にはハンドリング、右にはパワートレーンのモード選択スイッチが用意され、中央には8インチサイズのインフォテインメント用のディスプレイが配置される。750SのHMI（ヒューマンマシンインターフェイス）はApple CarPlayにも対応するため使い勝手はとてもいい。
スーパーカーシリーズのフラッグシップとして相応しい4L V8ツインターボエンジン。750ps／800Nmを発生。
さらに107mmという最低地上高だが、こうした車高の低いクルマに必須アイテムとなっているリフトアップ機構「ビークルリフトコントロール」も専用スイッチで操作できてとても便利である。その作動時間は、約4秒で従来の2倍以上の速さを実現、より実用性が高まった装備となった。
実際に走り出してみると、乗り心地の素晴らしさにまず驚かされた。以前、720Sをテストドライブした時の記憶を引っ張り出したが、それを上回る快適性を持っている。7速DCTもレスポンスはまさに電光石火、ハンドルへの入力の反応もかなりダイレクト感に溢れ、操作するのが実に楽しい。
街中を走るときのハンドリングのモードは、コンフォートをお勧めしたい。荒れた路面であっても振動を丸めてドライバーに不快に伝えることがない。
高速道路や綺麗な路面では、ハンドリングモード＆パフォーマンスモードはスポーツがいい。マクラーレンらしいエキサイティングなハンドリングやエキゾーストサウンドなどが味わうことができる。ただしそれもこの750Sの持つパフォーマンスのほんの一部分でしかない。
マクラーレンのアイコンといえばディヘドラルドア。デザイン変更されたエキゾーストパイプはセンターに配置、迫力ある高音のサウンドを奏でる。
750Sの持つ性能のすべてを解放するのは公道では無理であり、サーキットに持ち込むしかない。今回の試乗では、その片鱗を感じたが、サーキットを走ることが叶わなかった。それは次回の楽しみとして残しておこう。（文：Motor Magazine編集部 千葉知充／写真：井上雅行）
マクラーレン 750S主要諸元
●全長×全幅×全高：45690×2161×1196mm
●ホイールベース：2670mm
●車両重量：1464kg
●エンジン：V8DOHCツインターボ
●総排気量：3994cc
●最高出力：750kW（552ps）／7500rpm
●最大トルク：800Nm／6500rpm
●トランスミッション：7速DCT
●駆動方式：MR
●燃料・タンク容量：プレミアム・72L
●WLTPモード燃費：8.2km／L
●タイヤサイズ：前245／35R19、後305／30R20
●車両価格（税込）：3930万円
