「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、カローラフィールダーだ。

違和感はすぐに消えてクルマが身体に馴染む

画像: カローラフィールダーの大きな特徴がバックドアのパネルを樹脂製にした点。鋼板製よりも2.5kgの軽量化を実現した。

カローラフィールダーの大きな特徴がバックドアのパネルを樹脂製にした点。鋼板製よりも2.5kgの軽量化を実現した。

今回の試乗車は、1.8Lのトップグレード、1.8S エアロツアラー。走り出して最初に感じたのは。一般的な日常のドライブシーンで真価を発揮する絶妙な味付けだったことだ。乗って数分の間は違和感というか、不満を感じるところもあるが、すぐに身体と感覚が馴染み、手足のように自在に操れてしまう。

1.8Lの2ZR-FAE型エンジンはレギュラーガソリン仕様だ。最高出力は140ps。最大トルクは17.5kgmと数値的には平凡なスペックだが、スタートした瞬間から軽やかな走りを披露した。取材時は3名乗車で荷物も満載していたが、余裕がある。ノーマルモードでも低回転域から厚みのあるトルクを発生し、力強い加速を見せつけた。

無段変速機のCVTは制御が緻密だ。応答レスポンスは鋭いし、実用域のトルクも厚みを感じさせる。速い流れをリードするのはたやすいし、加速も冴えていた。スポーツモードを選べばクロスレシオのATのようにメリハリの利いた走りを楽しめる。その気になれば6000rpmオーバーまで使い切ることができ、ステップ感のある切れのいい加速を存分に楽しめた。これでステアリングにパドルシフトが装備されれば、言うことなしだ。

さすがに急激な加速を試みるとエンジン音は高まるが、クルージング時は静かだった。ちなみに100km/h巡航は2000rpmを下回っている。ドアミラーの付け根部分やリアコンビランプには小さなフィンを付け、空力性能をアップしているが、これは風切り音の低減にも貢献しているようだ。

ボディとサスペンションはしっかりしている。剛性感は文句なしで、安心してスポーティな走りを楽しめた。軽い操舵フィールだが、思いのほかクイックで、軽やかに曲がってくれる。セダンのアクシオと比べると味付けはスポーティだ。ちょっと引き締まった乗り味だが、クルマの挙動は素直だった。先代よりコントロール性は高く、街中での取り回し性も向上している。

タイヤはコンフォート系のものを履いているが、スタビリティ能力は高く、コーナリング姿勢も安定していた。欲を言えば、もう1サイズ大径のタイヤが欲しい。ちなみに燃費は1.3Lモデルと大差ないものだった。

画像: インパネの左右両端をそれぞれ30mm広げることで、視覚的に窮屈感を感じさせないように設計されている。

インパネの左右両端をそれぞれ30mm広げることで、視覚的に窮屈感を感じさせないように設計されている。

トヨタ カローラフィールダー 1.8S エアロツアラー 主要諸元

●全長×全幅×全高:4360×1695×1465mm
●ホイールベース:2600mm
●車両重量:1160kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1797cc
●最高出力:103kW(140ps)/6200rpm
●最大トルク:172Nm(17.5㎏m)/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・42L
●JC08モード燃費:16.6km/L
●タイヤサイズ:185/60R15
●当時の車両価格(税込):212万円

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