創業の地に、新たな「はじまり」の拠点が誕生
実質的な走行距離が短い、充電にいちいち時間がかかる、なにより価格が高い・・・「全固体電池」はそんな、電気自動車(BEV)に対するネガティブイメージを一気に覆す可能性を秘めた、テクノロジーです。
![画像: 日産が研究開発を進めている全固体電池の積層ラミネートセル。幅広いセグメントへの搭載が期待されている(写真は2022年、試作生産設備が公開された際のもの)。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2024/04/18/9ae3915b46d5ab7caf26f175fefb64937dfc326b_xlarge.jpg)
日産が研究開発を進めている全固体電池の積層ラミネートセル。幅広いセグメントへの搭載が期待されている(写真は2022年、試作生産設備が公開された際のもの)。
国産メーカーとしていち早くBEV「リーフ」を量産・市販した日産自動車もまた、その実用化に向けて積極的に取り組んできました。だからこそ2022年には他社に先駆けるカタチで試作生産工程の一部を報道陣に公開。その際には、2024年度までに量産化に向けたパイロット生産ラインを横浜工場(神奈川県横浜市)内に設置、2028年度までに市場投入する計画を明らかにしています。
そのスケジュールどおり、2024年度中の稼働を目指して新設中の全固体電池生産ラインを含むパイロットプラントの見学会が今回、開催されました。建設が進められている横浜工場は、日産自動車にとって創業の地にあたります。そんなランドマークから日産は、新たな一歩を踏み出すことになります。
![画像: 見学の前に、全固体電池の開発状況について常務執行役員 パワートレイン&EV開発本部担当 生波島 俊一氏が全固体電池開発状況を紹介。今回のパイロットプラント導入開始とほぼ同時に新たな車両技術開発をスタート、2026年度半ば過ぎに試作車公道走行、2028年度に新型車両を市場に投入する計画を明らかにしている。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2024/04/18/0f470dad7519ea0689dda402f4d355a6aca56a81_xlarge.jpg)
見学の前に、全固体電池の開発状況について常務執行役員 パワートレイン&EV開発本部担当 生波島 俊一氏が全固体電池開発状況を紹介。今回のパイロットプラント導入開始とほぼ同時に新たな車両技術開発をスタート、2026年度半ば過ぎに試作車公道走行、2028年度に新型車両を市場に投入する計画を明らかにしている。
実地見学に先立ってのレクチャーでは、2年にわたる研究開発の経過がハイライトの形で紹介されました。活用する素材の検証、生産工程上の課題解決、熱暴走を含めた安全性への対策などの研究が着実に進められてきたといいます。
今回のパイロットプラントにおいて、研究室内でのラボスペックから市販車への採用を前提とする車載スペックへのステップアップに向けて、さらに一歩進んだ取り組みが始まります。