全固体電池が搭載される最初の「新型BEV」は、そうとうレア?
今回の見学会では、パイロットプラントの紹介とともに、車両の製造工程における新たな取り組みも紹介されました。「スマート工程」と呼ばれるもので、組み立てラインをメインラインとサブラインに分けることで、作業における負荷の調整を図ります。
日産では栃木工場を皮切りに、生産現場で2030年までのカーボンニュートラル化を目指した「ニッサン インテリジェント ファクトリー」化がすでに進められています。今回のスマート工程は、ライフステージバランスの最適化という、より人材活用の「スマート化」に寄り添った「働き方改革」につながる活動と考えていいでしょう。
とくに時間の制約が強い育児世代や身体能力の低下を伴うシニア世代が効率的に働く環境としては、非常に優れている、とのこと。すでに福岡県苅田町の九州工場でも導入、検証されたもので、今後予想される労働人口の減少といった、社会的問題に対応することが可能になりそうです。
ちなみに日産は、2021年11月に発表された長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」において、2030年度までに電気自動車19車種を含む27車種の「ワクワクする」新型電動車を投入することを明らかしています。さらに2024年4月に発表した中長期経営計画「The Arc」では、次世代EVのコストを30%削減し、2030年度までにICE車と同等のコストを実現することをコミットしています。
そうした新たな躍進を支えるために、全固体電池だけでなくすべてのモデルを含めた開発・生産環境の整備にもまた、革新が求められていることは確かです。
それにしてもどんな新型EVから、市販スペックの全固体電池が搭載されるのでしょうか。たとえば欧州では「キャシュカイ」や「ジューク」のBEV化が決定。日産、インフィニティブランドを合わせて、電動車のモデルミックスは55%以上と目標設定されています。
パイロットプラントの生産としては、かなり限定的な台数からのスタートとなることは間違いなさそう。「ハイパフォーマンス」で「レア」な日産車と言えば、真っ先に思い浮かぶのはたとえば「GT-RのEV版!?」ですが・・・果たしていかに。