日本でも人気を博しそうな最新SUVを、いち早く海外にて試乗する特別企画。パート2は、高い運動性能とラグジュアリーなしつらえを兼ね備えた万能SUV、レンジローバースポーツ「SV」の「恐るべき」能力をレポート。ジェントルなルックスが醸し出す上質感はもちろん、操る楽しさでもちょっとレベルが違い過ぎる。(MotorMagazine 2024年5月号より再構成)
スポーツとジェントル。けっして相反するものではない
「スポーツモデルなんだから、乗り心地は多少硬くても構わないし、音だってうるさくていい。それよりも内外装にそれらしい演出があって、気分を盛り上げてくれるクルマのほうがいい」
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試乗車は、レンジロバースポーツSVのデビューに合わせて設定される限定車「SV エディション ワン」で、専用のフロントスプリッター、センターコンソールなどを装備する。
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近年のレンジローバーに採用されている凹凸を極限まで減らしたサーフェスデザインを採用する一方で、4本出しのエキゾーストで“SV”らしさが表現されている。
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フロントシートのショルダー部分にスピーカーが、腰部には音楽に合わせて振動を発生するユニットが埋め込まれている。
そう考える人は少なくないはず。だからこそ、これまで「スポーツモデルはスポーツモデルらしく作られてきた」ともいえる。でも、世の中には同じような考え方の持ち主ばかりとは限らないのではないか。
たとえば「スポーツモデルでも快適な方が嬉しいし、静かな方がいい。内外装だって、スポーティよりシックな方が好み。それでいて、いざとなればとてつもなく速く、そして力強く走れるクルマが欲しい」と考える人がいてもおかしくない。
とりわけラグジュアリーSUVを求める層ともなれば、その比率は高まるような気がする。かくいう私も、そんな志向を持つひとりである。レンジローバースポーツに追加された新グレード「SV」は、そんな期待に応えるモデルだ。