クラシックフェラーリの魅力を再発見!4台の歴史的フェラーリをサーキットでドライブ。そのポテンシャルを引き出し、マニュアルトランスミッションのスリルを再発見しようという「コルソ・ピロタ・クラシケ・フィオラーノ」を体験した。(MotorMagazine2024年6月号より再構成)
マニュアルミッション×キャブ車は、さすがに手ごわい
シフトゲートは金属製で“憧れの仕切り”が眩しい。そこからひょろひょろと金属製シフトレバーが生えている。クラッチペダルはさほど重くない方なのだが、めっきり使わなくなった左足にはそれでも負担だ。
ワイヤーで物理的に繋がった右足担当の操作フィールにも多少の戸惑いがある。電気信号のペダルに慣れてしまっているからだ。
そのうえキャブ車である。ソロリとクラッチをつなぎジワリとスロットルを開けてクルマの機嫌を伺いながら走り出す。
野太い排気音もさることながら吸気音とメカニカルノイズが耳に心地よい。2速ギアは渋めだが温まるに従ってスムーズに。濡れた路面のV8ミドシップゆえ油断すると立ち上がりでリアが乱れるが、そういったことも含めてクルマとの対話が実に愉快だ。
308で3周走り、次にモンディアルへ。こちらはインジェクション仕様だから、キーをひねれば容易にエンジンが掛かる。余計な気遣いのない分、対話性は少し薄れる気も。
プラス2座ゆえロングホイールベースとなったモンディアルは濡れたサーキットでまさに水を得た魚のように走った。308よりも圧倒的に踏みやすく曲がりやすく攻めやすい。この日乗れたモデルの中でもっとも楽しかったという点で、参加者同士意見は一致。