燃料だけではなく、トータルでのカーボンニュートラルを目指すマツダ
マツダ スピリットレーシングは、富士戦としては初めて2台体制で臨みます。次世代バイオディーゼル燃料を使う「#55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」と、CNFで走る「#12 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」ですが、2台が持つ意味合いは、少し異なっているそうです。
とくにマツダ3は、根幹となる技術開発とエンジニア育成が目的とされています。ハイパフォーマンスなエンジンを搭載することでエコ力だけでなく「速さ」も追求しましてきましたが、今年はさらに燃料という視点だけでなく、クルマを通じたあらゆる技術でカーボンニュートラル化に貢献することを目指しています。
具体的な取り組みのひとつが、排ガスからCO2を回収するスキームの実現です。その手法としては、排気系内部にCO2吸着材を配置し、タンク内に貯蔵するシステム構築を考えているそうです。
現状、マツダはHVO(廃食油由来のディーゼル代替燃料)によって実質90%のCO2削減を可能にしました。新しいCO2回収技術ではさらに20%のCO2を回収するので、トータルではおよそ10%分のカーボンネガティブが達成される計算になります。。
マツダでは、バイオ燃料の量産拡大についても原料段階からの研究を進めています。とくに原料として量産性に限界がありそうな廃食油に代わって、生産効率が高い微細藻類に着目、流通量の拡大が見込めるそうです。
どちらもさらなるCN化に向けて走り始めた技術であり今後、システム、実装形態、運用の方法などさまざまな検証が必要になります。けれどマツダというメーカーが、「走る実験室」に導入を図る以上は、将来的に量産車まで織り込まれることを大いに期待してよさそうです。