専用の空力パーツと足まわり、チューニングされたパワートレーンによりGT-Rに次ぐパワーを与えられた最新のNISMOモデル「アリア NISMO」は、開発陣の並々ならぬこだわりを感じるとても魅力的な1台だった。(MotorMagazine2024年6月号より)

装着される各パーツは欠かせない機能を持つ

東京オートサロン2024でのプロトタイプ発表後、わずか2ヵ月で市販型を発表と、意外と早くデビューしたアリアNISMO(ニスモ)。標準車の4WDモデル「e-4ORCE」のB6(バッテリーサイズ66kWh)/B9(バッテリーサイズ91 kWh)をベースに、空力性能や足まわり、駆動システムに手を加えるなど、かなり本気で「走りが楽しいBEV」を狙って作り上げたモデルだ。

画像1: 装着される各パーツは欠かせない機能を持つ

アリア ニスモにはFWDの設定はない。その理由はシステム出力をアップしているため、「e-4ORCE」のほうがより理想的な走りに近づけることができるから、とのことだった。

アリア ニスモの立ち位置は、ニスモモデルのヒエラルキーで中間にあるスカイラインニスモとほぼ同じだと言う。つまりサーキットを攻める速さを追求したのではなく「より速く、気持ち良く、安心して」走れるクルマを目指したというわけだ。

試乗車は「プロトタイプ」だが、日産の説明では「量産車ではないだけでほぼ市販車と同じです」とのこと。そんなアリア ニスモのエクステリアにはエアロパーツが装着され、ひと目見て“通常モデルとは違う”とわかるが、これらはけっして見た目だけのものではない。

画像2: 装着される各パーツは欠かせない機能を持つ

カナード形状にしたフロントバンパー下部、標準車よりも40mm低く37mm外側に張り出したサイドスカート、下部をディフューザー形状にしたリアバンパー、バックドアのリアスポイラーはダウンフォースを高める。またアルミホイールにはブレーキ冷却性能の向上やドラッグ低減、ダウンフォースを高める効果がある。

さらに、標準車よりもCd値(空気抵抗係数)は6%向上、CL値(揚力係数)は40%も低減。開発者はダウンフォース増強とCL値の低減により、総合的に見るとゼロリフトを実現していると言う。

テストコースでは、まずは走行モードを「STANDARD」にして発進。スルスルと走り出す。試乗コースに出て加速しようとアクセルペダルを踏み増した瞬間、間髪入れずにグンと後ろから押出されるように加速する。力強いが扱いやすく、とても乗りやすいと感じる。そして乗り心地は思ったよりも硬くない。

高速道路などの継ぎ目を再現したセクションでは「トトン、トトン」とリズミカルにクリアしていく。しかし乗り味は、標準車のB9 e-4ORCEとあまり変わらない、という印象も受けた。

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