コンパクトSUVとは思えない動力性能を発揮
アルファロメオ「ジュニア」は同ブランドのコンパクトSUV。2024年4月にワールドプレミアされたときは「ミラノ」という車名だったが、のちにイタリア政府からの指摘で「ジュニア」に変更された。
そのラインナップには、48Vハイブリッドの「イブリダ」とBEVの「エレットリカ」が設定される。当初、エレットリカのモーター出力は標準モデルが156psで、エレットリカの中でもハイパフォーマンス バージョンの「ヴェローチェ」は240psと発表されていた。
しかし、ジャーナリストに向けた試乗会を開催する数日前に、アルファロメオはジュニア ヴェローチェの最高出力を280psにアップすると発表した。このスペックは、ジュリアやステルヴィオ、トナーレのヴェローチェ バージョンと同じ数値となる。
そして今回、ジュニア 280 ヴェローチェは発売に先駆けて、歴史あるバロッコ試験場で形式承認前のダイナミックテストを行った。
このバロッコ試験場は1962年に完成しており、それ以来、すべてのアルファ ロメオ ロードカーのダイナミック性能の開発と検証に使用されてきた。
また、ここは「アルファ コルセ」チームの本拠地でもあり、同チームはこの施設を使用して、F1、DTM、スーパーツーリングカーなど、同ブランドのテストを行っている。
ジュニア 280 ヴェローチェは最高出力280ps(207kW)、最大トルク345Nmを発生する新世代の「M4+」と呼ばれる電動モーターをフロントに搭載し、前輪を駆動している。
その動力性能は、0→100km/h加速性能が5.9秒で、最高速度は200km/hを超え、同セグメントをリードするダイナミクスを備えていると言っていいだろう。
これに組み合わされるバッテリーは総電力量54kWhのリチウムイオンタイプで、WLTPサイクルで最大207マイル(333km)の航続距離を実現している。
当然、充電性能にもこだわっており、100kWのDC急速充電ステーションを使えば、バッテリーを20%から80%まで充電するのに30分もかからないという。