特別なチューニングが施された4WDを設定
ノート オーラ NISMO(以下、オーラNISMO)は2021年にデビューしてから、オーラの販売のなかで約2割を占める人気のスポーツモデルに成長しました。その結果、累計2万1000台以上を販売しておりNISMOラインナップのなかでもトップランナーとなっています。
そして今回行われた改良では、ついに4WDが追加されました。従来型はFFのみを設定していましたが、それは「NISMOは軽さが重要」という開発姿勢を重視したためでした。けれど市場からは4WD追加のリクエストを強く要求されたといいます。なぜならベースとなるオーラの4WDモデル、すなわち「e-POWER 4WD」の走りには大きな定評があったからです。
このe-POWER 4WDにおいて走りの要となる前後のモーターは4つの駆動力を自在に制御することができます。そのため発進・減速・コーナリングそれぞれの場面において車両の姿勢を安定させ、極めてスムーズな走りを可能にしているのが特徴です。これは日産がアテーサE-TSを誕生させて以来、長きにわたって知見を育んできた4WD技術に、リーフから始まった電動技術が融合された、まさに日産なればこその技といえます。
オーラNISMOにこの4WDが追加されるにあたり、特別なチューニングが施されています。その際たる例は、リアモーターの出力向上です。ベースとなるオーラ4WDに比べて駆動に関わるリアモーターのスペックが16ps/50Nm増強されています。その結果、最高出力は82ps、最大トルクは150Nmを実現しました。
フロントは2WD同様に最高出力136ps、最大トルク300Nmの強力な駆動用モーターを積んでいますから、そこにコンパクトカーを十分に動かすことができるほどのパワーをもつ強力なリアモーターが加わることは、走りに対する影響が非常に強いことを想像できます。
ただしNISMOが手がけるモデルとなりますから、パワーを増強したからといってリアモーターを載せたことによる重量増が走りに悪影響を及ぼしてしまうことは許されません。その打開策として、4WDモデルには専用の軽量アルミホイールが装着されています。
2WDのそれと比べて12%ものダイエットに成功したアルミホイールによって、肥えてしまった図体でも運動性能が損なわれないように仕立てられているのは、実にNISMOらしい工夫といえます。