改良された新型メルセデス・ベンツEQA 250+に、公道で試乗。「ちょうどいいサイズと使い勝手」をコンセプトに、2021年4月から日本で発売されているSUVタイプのフルバッテリーEVですが、なるほどこれはサイズ感に限らず、いろんな意味で「ちょうどいい」仕上がりと言えそうです。(写真;メルセデス・ベンツ 日本)
航続距離がさらにアップ。過不足のない高性能ぶり
全長4465×全幅 1835×全高1610 mmというディメンションは、メルセデス・ベンツSUVラインナップの中ではもっとも、日本の道路環境に見合ったサイズ感の持ち主。フォルムそのものは流麗なクーペ感が漂うスタイリッシュなものですが、ボクシーなスタイルとより広い室内空間やカーゴスペースを持つ兄弟車EQBに比べるとこれまでは、やや地味な印象がありました。
しかし進化型EQAはそのデザイン性も含めて、「毎日使う実用的な電気自動車」としての才能が、さらにわかりやすく磨かれています。もともと優れたユーティリティ性能、快適な空間性能などなど、日常に寄り添う一台と考えるならすべてに過不足がなく、不満を覚える隙がありません。
従来型に対する数値的なアドバンテージとしてはまず、前輪を駆動する電気モーターの改良が挙げられます。最高出力こそ190ps(140kW)で変わらないものの、最大トルクは370→385Nmに強化されました。
目を見張るほどのパフォーマンス向上につながるレベルの差ではありませんが、もともとの扱いやすい性格がどのように変わっているのか、は気になるところです。
よりわかりやすいメリットにつながる進化としては、航続距離のさらなる伸びが挙げられます。初期型では422kmでしたが途中の改良で555kmを実現、さらに新型では70.5kWhのバッテリー容量から、WLTCモードでの一充電走行距離が591kmに達しています。充電に対するストレスは、さらに緩和されたと言っていいでしょう。