内外装を中心にリファイン
現行型のアウディ RS 3が日本で発表されたのは2021年11月のこと。あれから3年弱となるが、本国ではマイナーチェンジモデルが発表された。
新型のRS 3にはこれまでと同様に、ハッチバックとセダンの2ボディが設定される。今回のマイナーチェンジでは、内外装のリファインが中心となる。
より力強さを増したフロントマスクは、印象的な縁取りが施された六角形のシングルフレームを採用。さらにフラットで幅広になったこのグリルの中を見てみると、菱形パターンが採用されており、よりダイナミックな印象を与える。
また、リアのサイドリフレクターはフロントのエアインテークのデザインテーマを引き継いでいる。さらにRS専用の大型リアディフューザーの中央には赤いリフレクターが組み込まれたほか、RS排気システムの楕円形ツインテールパイプが組み込まれ、スポーティさが強調されている。
インテリアでは、上下がフラットになった新しいデザインのステアリングホイールを採用したほか、RSスポーツまたはバケットシート、スポーティなディスプレイなど、大幅な刷新が図られた。
スポーツ性だけではなく、プレミアム性にも磨きがかかった。輪郭照明とアンビエント照明は、シフトレバー前の収納ボックス、カップホルダー付きのセンターコンソール、そしてドアを照らしてくれる。
12.3インチのアウディバーチャルコックピットプラスは、ランウェイモードではタコメーターを大きく表示するほか、出力、トルク、Gフォース、加速度、タップタイムなども表示される。これに加えてインストルメントパネルの10.1インチタッチディスプレイには、冷却液、トルク配分、ブレーキ、エンジンオイルの温度範囲がカラーで表示される。
エンジンに変更なしも、シャシの改良でニュルのタイムがアップ
一方、パワートレーンについては大きな変更はない。アウディ名物となった直列5気筒の2.5Lエンジンは、最高出力400ps、最大トルク500Nmでスペックは変わらない。0→100km/h加速性能は3.8秒、最高速度は290km/hも従来型と同様だ。
しかし、新型RS 3はシャシ面での改良が施された。ブレーキトルクベクタリングなどが微調整され、コーナーイン側のブレーキを細かくつまむことで入口でのアンダーステアを減少させ、コーナリングパフォーマンスが向上している。
これらの進化がニュルブルクリンクのラップタイムを短縮させることに成功している。従来型のRS 3のタイムは7分40秒748だったが、新型では7分33秒123を記録しており、7秒以上も速くなっている。
新型RS 3のスポーツバックおよびセダンは本国ドイツで8月末から注文が始まり、10月から販売されるという。ちなみにドイツでのRS 3スポーツバックの価格は6万6000ユーロからとのこと。1ユーロ160円で計算すると、1056万円となるが、日本での発売は未定だ。