1.5Lターボの楽しさを味わい尽くすための、MT専用セッティング
シビックRSと聞けば、初代シビック(1974年)を思い浮かべる方も多いだろう。
このRSは「ロードセーリング」の略で、ハイウェイクルージングを意識した快速モデルというような位置づけだった。搭載されるエンジンはEB1型1169ccでケイヒン製のCVキャブを2連装し、 76ps/6000rpm、10.3kgm/4000rpmまでパワーアップ。アクセルレスポンスはすこぶるシャープで、6500rpmまでストレスなく回り切った。
1980年代以降のシビックではSiもしくはSiRがスポーツモデルとして定着。1997年にはサーキット走行も視野に入れたタイプRが登場したことで、2000年代以降は日本国内でシビックのスポーツモデルと言えば「タイプR」というイメージが強くなっていた。
しかし、往年のシビックファンやホンダファンの中には、タイプRほどではないけれどスポーティなシビックを求めていた人たちも多く、事実、従来型シビックの1.5Lターボモデルでは、MT車の選択比率が5割を超えていたという。
そこでホンダはよりMT車を楽しむためのモデルとして、シビックRSを復活させたのだ。
最新のRSも快速なのは変わらないが、タイプRの技術も採り入れたということで、操る喜びをさらに高めた「進化型MTスポーツ」と呼ぶのが相応しいだろう。
その内容は軽量フライホイールによるエンジン回転のレスポンス向上をはじめ、MTで気持ちよく走るためにレブマッチシステムも採用。さらにドライブモードが追加され、スポーツやインディビジュアルが選べるようになった。
足まわりではフロントブレーキディスクの大径化、スプリングやスタビライザー、ブッシュの剛性アップ、さらに車高を落とし、ダンパー径も拡大、バルブの最適化などひととおり手が入っている。
一方、見た目は意外とシンプル。前後のRSエンブレムが印象的だが、その他は各部のブラックアウトなど派手な装飾は使わない。