「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ポルシェ ボクスターだ。

アルミを多用して軽量化されたシャシの効果も大

画像: ソフトトップのカラーは、試乗車のレッドの他にブラック、ブルー、ブラウンが選べる。

ソフトトップのカラーは、試乗車のレッドの他にブラック、ブルー、ブラウンが選べる。

3代目となった新型ボクスターは、従来型の2代目よりホイールベースを60mm、トレッドを前40mm/後ろ18mm延長して、操縦安定性や快適性を高めている。サイズ的には全長が32mm長く全高が13mm低くなったが、車両重量は今回試乗したボクスターSで35kgも軽量化されている。

エンジンは2.7Lと3.4Lの水平対向6気筒で、ボクスターSは後者を搭載している。回転フィールは、極めてスムーズだ。しかもシャシにアルミを多用して軽量化されたことや、ミッドシップならではのハンドリングの良さを感じさせる。重心の低さと、何のストレスもなくステアリングホイールを操作したとおりに向きを変えることに感服してしまった。これ、文字にすると当たり前のように思われるかもしれないが、これを本当の意味で実現できているクルマは数少ない。ボクスターは、そんな貴重な1台なのだ。

試乗車はオプションの20インチタイヤを装着していたのだが、これまた薄いサイドウオールのハンデを感じさせない、しなやかな乗り心地をもたらしていた。さらに、PSM(ポルシェ スタビリティ マネージメント)、PTV(ポルシェ トルクベクタリング)、PASM(ポルシェ アクティブサスペンション マネージメント)、PADM(ポルシェ アクティブ ドライブトレーン マウント)といった電制デバイスの効果も大きい。ボクスターは、かなりハイテクなスポーツカーなのだ。

オープンカー専用モデルとして3代目となるだけあって、オープンカーとして作り慣れてきたなという印象もある。ソフトトップの開閉はシンプルで速いし、閉じたときのスタイリングや視界、さらには荷物を積めるスペースも十分に満足できる。ところで、ボクスターが新しくなったということは、それをベースとする新しいケイマンもそう遠くないうちに出るはず。こちらも試乗できる日を楽しみにしたい。

画像: ボディ側を開けずにソフトトップが電動で開閉できるので、所要時間は約9秒とかなり早い!

ボディ側を開けずにソフトトップが電動で開閉できるので、所要時間は約9秒とかなり早い!

ポルシェ ボクスターS 主要諸元

●全長×全幅×全高:4380×1800×1280mm
●ホイールベース:2475mm
●車両重量:1360kg
●エンジン:水平対向6 DOHC
●総排気量:3436cc
●最高出力:232kW(315ps)/6700rpm
●最大トルク:360Nm(36.7㎏m)/4500-5800rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●燃料・タンク容量:プレミアム・64L
●JC08モード燃費:10.0km/L
●タイヤサイズ:前235/40ZR19、後265/40ZR19
●当時の車両価格(税込):727万円

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