特殊なコース設定が、スリリングで予測不可能なレースを演出
シンガポールGPが行われる舞台は、湾岸地区に特設される市街地コース。投光照明の下で行われるF1初のナイトレースとして開催されることで知られ、そのスペクタクルなショーは高い人気を誇っている。
そのショーを演出するのがタイトなコースで、全長4.940kmに19のコーナーがレイアウトされているが、オーバーテイクが難しいため、ノーズ・トゥ・テールでのバトルがよく見かけられる。またほかの市街地コースと同様、ランオフエリアが非常に少なく、少しでもラインから外れるとバリアが迫るため、息もつかせぬ攻防が見られる。
シンガポールGPではバンピーな路面がドライバーを悩ませてきたが、今年はターン3から9、10から12、14から17までの区間で路面が再舗装された。アスファルトは市街地で一般的に公道で使用されるものだが、それでも昨年よりは滑らかな路面が期待される。
一方、シンガポールGPを予測不可能なレースにしているのが天候。赤道にまたがるシンガポールの気候は、湿度が高く、70% を下回ることはめったになく、昼夜を問わずいつでも雨が降る可能性があり、非常に激しい雨になることもある。またレース中のコックピット内の気温は50度を超えると言われ、そんな中でドライバーはわずかなミスも許されない戦いを強いられる。
なお、ストレート区間が短く追い抜きが難しいため、今年は新たに14コーナーと16コーナーの間に4番目のDRS ゾーンが導入されることが決定。ただ、これがどういう結果をもたらすかは、日曜日まで待たなければならない。
いずれにせよ、決勝で好結果を得るためには、予選リザルトが重要となるのは間違いない。