「スーパーカークロニクル・完全版」が好評発売中だが、今回はその中から主だった車種をダイジェストで紹介しよう。第1回は1966年から1979年までのいわゆる「第1期スーパーカー」の中から、ランボルギーニ ミウラ、ランボルギーニ カウンタック、フェラーリ365GT/4BB、マセラティ ボーラをピックアップしてお届けする。
綺羅星(きらぼし)のごとく「時代」を動かした
ランボルギーニ ミウラ SV(1971-1973年)「歴史の幕を開いた美麗クーペ」
スーパーカーの起源には諸説あるが、イタリアの新興メーカーであるランボルギーニ社のミウラによってその歴史の幕が開いた。
「ミウラ」という名は、スペインにあったという伝説の闘牛牧場の名に由来する。鬼才、マルチェロ・ガンディーニの手になる美しいクーペボディに、高性能を期待させるメカニズムを包みこんだ。
市販モデルは1967年に登場したP400だ。エンジンはウエーバー製の3チョークキャブレター✕4基で350osを発生。車重は1095kgで最高速度は290km/hに達した。
ただ、前後重量配分の問題などからハンドリングはピーキーで、その後、1969年のP400S、1971年のP400SVと熟成が重ねられた。
ランボルギーニ カウンタック LP400(1974-1978年)「代名詞と呼ばれるのにはワケがある」
ミウラの後、スーパーカーの代名詞となったのはランボルギーニカウンタックだ。1971年のジュネーブ モーターショーに展示されたプロトタイプのLP500は、カウンタックの名を一瞬で世界に印象付けた。
車名の「カウンタック(COUNTACH)」とは、イタリア北西部のピエモンテ地方の方言で驚いたときの感嘆符的な「クンタッチ!(何だこれは!)」が語源というのも有名なエピソードだ。
エンジンはミウラ養の4LV12をエンジンを縦置きしミッドシップ搭載。前後重量配分の適正化やミウラより50mm短いホイールベースによりハンドリングが向上した。
最高スピードが公称300km/hというのもインパクトが大きかった。