1974年にドイツで誕生したフォルクスワーゲン ゴルフは、2025 年に日本導入50周年を迎える。ゴルフは当初からスポーティな車両として設計され、1974年の初期段階で、将来の GTI (1976 年にデビュー) が国際 FIA 規則に従って開発されることが想定されていたという。そうした背景のもと、その後、ゴルフにはモータースポーツと深く関係したスポーティなモデルが多数登場している。今回の特集シリーズでは、「スポーティゴルフの50年」を振り返り、さまざまな世代の忘れることのできない8台の象徴的なモデルを紹介しよう。第7回は1993年に登場したゴルフ VII GTI クラブスポーツ Sをピップアップする。
前輪駆動の市販車の可能性を再定義
車両番号 07
ゴルフ VII GTI クラブスポーツ S(2016年)
Golf VII GTI Clubsport S
2016 年、ベンジャミン・ロイヒターが悪名高い「グリーン ヘル」で当時のニュルブルクリンク北コース量産前輪駆動車の記録を破ったモデル。世界400台限定で市販された「ゴルフGTI クラブスポーツS」は、2L 直噴直列4気筒ターボエンジンは最高出力228W (310ps)を誇り、最高速度は265km/hに達していた。
このモデルはゴルフGTI史上、最強エンジンを得ただけでなく、軽量化のため2シーターとされ、ボディ形状も2ドアのみ、トランスミッションは6速MTとなっていた。さらに19インチのホイールとミシュラン・パイロット・スポーツカップ2タイヤが装着されていた。
ニュルブルクリンク北コースのラップタイムは7分49秒21、もちろん市販された「ゴルフGTI クラブスポーツS」そのものの車両で、この記録破りのラップで、ゴルフ GTI クラブスポーツ S はノルドシュライフェを制覇しただけでなく、前輪駆動の市販車の可能性を再定義したと賞賛された。