2024年にフルモデルチェンジしたプジョーのSUV「3008」は、従来モデルとは大きく異なるスタイリングで注目されるとともに、欧州で大きな販売台数を築いている。なぜこれほどの注目を集めているのか、プジョーのリンダ・ジャクソンCEO(2025年1月30日取材当時)に話を聞くとともに、欧州仕様の新型3008の実車を見ながら考えてみた。

個性派SUVに注目集まる

ある自動車ブランドからイメージする代表的な車種は人それぞれ異なるかもしれないが、たとえばフォルクスワーゲンであればゴルフ、ポルシェであれば911など、一般的によく知られているポピュラーなモデルたちの名が挙がるはずだ。ただ、近年は必ずしもそうした代表的なモデルがブランド内の販売台数トップとは限らないようだ。

フランス流の個性的デザインをもつコンパクトハッチバックで名を馳せてきたプジョーでも同様で、208や308のようなブランドのイメージリーダーは独自性のあるデザインで人気を獲得しているが、日本での販売台数においてはコンパクトSUVの2008がトップランカーとなる月もあるという。いまや全高が高くて視界も広い、また大きなラゲッジスペースも確保されているSUVと人気を二分するような状況だ。

プジョーのSUVモデルは上述した2008のほかにも、従来から3008と5008もともにラインナップされてきたが、なかでも2列シートSUVの3008は2024年にフルモデルチェンジが発表されて以降、大きく注目を浴びている。発売からすでに10万台を超える受注(世界)を受けて波に乗っているのだ。日本市場での発売日は公開されていないものの、導入に向けての調整が行われている段階なので今後のアナウンスに期待したいところ。

画像: フロントグリルやヘッドライト下のデイタイムランニングライトなどのアイコニックデザインにより、ひと目でプジョー車だとわかる個性的デザイン。

フロントグリルやヘッドライト下のデイタイムランニングライトなどのアイコニックデザインにより、ひと目でプジョー車だとわかる個性的デザイン。

新世代3008はファストバックSUVに

さてこの3008、実はすでに日本上陸を果たしている。去る1月30日、フランスのナンバーを装着した欧州仕様が渡航して、福岡を舞台に公開されていたのだ。その姿、角形のSUV然とした従来モデルのデザインから一変して、クーペルックのルーフデザインを持つスタイリッシュなSUVに進化を遂げていた。

とくに横から見たリアガラスのラインはフロントガラスの傾斜よりも寝かせられ、流れるようにテールエンドへとつながり、リアゲートでストンと真下に落とされる、まるでファストバックのようなシルエットをつくり出している。

画像: 3008のスタイリングは、近年増加傾向にあるクーペルックSUVとはひと味違うスタイリッシュさ。

3008のスタイリングは、近年増加傾向にあるクーペルックSUVとはひと味違うスタイリッシュさ。

全長は従来モデルと比較して10cm近く伸びて4542mm、全幅は約5cm拡大して1895mm、全高はほぼ変わらず1641mm(いずれも欧州仕様の数値)でありながら、実車を目の前にすると、写真で見ていたよりもコンパクトに感じられたのは、なだらかなルーフラインやファストバックスタイルによるもので、デザインの妙といえそうだ。

こうしたスタイリングの変貌ぶりに驚きもしたが、3列シートSUVの5008(2024年3月にフルモデルチェンジを発表)との差別化をより強調しているのではないだろうか。居住空間の広さやユーティリティの高さを求める人には5008を、プジョーらしいスポーティさとスタイリッシュさは3008で、と役割を明確にした印象だ。

外観を細かく見ていけばルーフスポイラーは左右の両端を持ち上げたデザインに、またテールランプには「ライオンの爪痕」をイメージした3本の光源と切り欠きを取り入れるなど、個性を際立たせるアクセントが随所に見受けられる。もちろんフロントマスクも同様で、3本のデイタイムランニングライト、ボディカラーと黒のグラデーションを成すフロントグリルなど、クルマのボディを構成するパーツひとつひとつに個性が宿っているかのようだ。

画像: テールランプユニットは、ふたつの切り欠きをともなった特殊な形状をしている。

テールランプユニットは、ふたつの切り欠きをともなった特殊な形状をしている。

インテリアに目を向けても同様だ。小径ハンドルとドライバーズディスプレイを組み合わせたiコックピットは、デザイン性に加えて、視認性や操作性にも優れた構成であることは従来モデルや308シリーズでも実証済み。先の実車公開の場で操作感やレスポンスなどを試すことはできなかったが、さらに進化しているはずだ。

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