モデル名を再構築しているアウディの新しいルールにしたがって、これまでのA4が「A5」になった。新たな電動化テクノロジーなどが加わって、より上質に進化した新型A5セダンを木村好宏氏がレポートする。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス Motor Magazine 2025年1月号より)
3シリーズやCクラスと肩を並べたディメンジョン
ともあれ、まずは新生A5セダンの2.0 TFSIから試乗を始めた。

先進的なデザインのインテリアには曲面の14.5インチMMIパノラマディスプレイを採用。操作性が向上した。
非常に喜ばしいのはそのデザインだ。エンジンフードはフロントグリル上縁から開くタイプからボンネット上に切り抜かれるようになり、フロントノーズがまるでスポーツカーのようにせり出している。
さらにフェンダー上縁の深いプレスラインがAピラーまで続き、それはリアフェンダーのふくよかな盛り上がりと呼応して「クワトロ4WD」の雰囲気を静かに品よく強調している。
歓迎されるべき改良点はボディサイズだ。全長4829mm×全幅1860mm×全高1444mmで旧モデルよりもひと回りも大きい。これはいままで窮屈な思いをさせてしまったクライアントにも吉報だろう。
ただし、繰り返すが、これは飽くまでもセダンの数字であり、これより背が低くなると想像されるスポーツバックの発表が待たれるが、少なくとも全長とホイールベースは伸びているはずだ。これでA5はBMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスと肩を並べることになった。
デジタル化されたインテリアでもっとも目を引くのは、目前に広がる14.5インチのワイドデジタルスクリーンである。アウディをはじめ、各社これをプレミアムの象徴と謳っているが、新型A5のインテリアはその具現化である。