緊急時だからこそ、慌てず、冷静に
続いてプラスサポートを試しました。こちらは走行中にアクセルペダルの踏み間違えてしまった際に、急加速を検知・抑制する機能です。
こちらで興味深いのは、この機能を作動させる「専用キー」があること。黄色にペイントされた専用のスマートキーで車両を解錠すると、本機能が使用できるというロジックになっています。

プラスサポートを装着したbZ4Xでテストドライブ。ブレーキペダルから足を離して2秒が経過したのち、急なアクセルペダルの操作を行うと急アクセル抑制機能が働いた。
実際にその機能を試すと、クリープ走行時に急にアクセルペダルを奥まで踏み込むと「アクセルが踏まれています、アクセルが踏まれています、アクセルが踏まれています・・・」と、車内にアナウンスが響き渡りました。そして当然、クルマは加速しません。
トヨタの市場調査によると、ペダル踏み間違えによる事故のうち、もっとも多い要因が「慌て・パニック」だと言います。つまり踏み間違えたあと、パニック状態になり、さらに踏み込んでしまうというのです。
けれど本機能の場合、日本語でハッキリと踏み間違えたことをアナウンスしてくれるので、ドライバーが冷静になれる時間を与えてくれます。こうした実践的な予防安全は、とても「安心感」につながるものです。
この踏み間違い抑制機能ですが、さらに嬉しいのは「後付け」できるオプションがあるということです。つまり最新モデルに限らずとも、特定の車種(プレミオやウィッシュ、SAIやラクティスなど生産終了モデルも!)において、販売店で後付けできるというのです。前出の専用キーは用意されないものの、こうしたアフターキットを用意してくれる点は感心させられます。
最後にパーキングサポートブレーキ。こちらは、急なアクセルペダルの操作で障害物に接近した際に緊急ブレーキを作動させる機能です。

パーキングサポート機能はあくまで駐車時の支援技術。プリクラッシュセーフティとは異なり、時速15km/h以下でのみ作動する仕組みとなっている。
が、この機能のスゴいところはアクセルペダルの操作だけに限らず、クリープ走行時にも作動することです。たとえば、Pレンジに入れたと思い込んでDレンジにシフトが入ったままペダルから足を離してしまい、ソロソロと障害物へ・・・すると、強い衝撃とともに緊急ブレーキが作動するといった具合です。
そしてこの機能もまた、ブザー以外のウォーニングを出してくれる点が何より緊急時の安心感を生むと思います。「ピー!」というブザーだけでなく「ブレーキを踏んでください」とメーターやセンターディスプレイに表示してくれる、その心遣いからも前述の「守護神」の思想を感じとることができました。