ネガティブな話題を払拭するかのように、日産がメディアに向けて新商品と新技術投入に関する計画の説明会を開催した。そこでお披露目されたのは、新たな経営体制のもとで進むターンアラウンド(事業再生)を支えるさまざまな「可能性」。大胆不敵なコンセプトに則ったデザイン、革新的なテクノロジーは果たして、どんな近未来を日産にもたらすのだろう。(写真:日産自動車株式会社)

新型リーフの実車デザインを大胆不敵にお披露目

日本市場向けに導入が明らかされているのは、新型リーフと新型「大型ミニバン」。リーフはもちろん、大型ミニバンも日産が誇る電動化の最先端を行く存在となる。

画像: 欧州向けにリリースが予定されている電動車軍団。中央が新型リーフ、右がマイクラEV、左がキャシュカイ e-POWER。これに2026年度には新型ジュークEVが加わる。実に強力なラインナップと言えるだろう。

欧州向けにリリースが予定されている電動車軍団。中央が新型リーフ、右がマイクラEV、左がキャシュカイ e-POWER。これに2026年度には新型ジュークEVが加わる。実に強力なラインナップと言えるだろう。

それにしてもコンセプト段階とはいえ、確定した市販型リーフの実車デザインを見せてくれるとは思っていなかったので、さすがに少し驚いた。3代目の進化における最大の特徴は、すっきりとしたシルエットのクロスオーバーモデルへと生まれ変わったことだろう。

「アリア」と共通のCMF EVプラットフォームを採用しているとのことだが、言われてみればシルエットというか塊感というか、全体的な雰囲気は確かにアリアに共通するものがある。あえて言うなら、アリアを少しすっきりと「さわやか系」に仕立てた、といったところだろうか。

日産のデザイン部門をグローバルで統括するアルフォンソ・アルバイサ氏(4月1日より執行職 グローバルデザイン、ブランドチャンピオン)のコメントを通しては、「スマートなたたずまい」と見晴らしの良さ、ゆとりある室内空間という魅力のポイントが印象に残った。

新型リーフは先進的なアーキテクチャーを採用し、北米仕様車にはテスラスーパーチャージャーネットワークへのアクセスを可能とするNACS充電ポートが搭載されるという。効率的なパワーマネジメントと相まって、大幅な航続距離の改善も実現。市販モデルの発表は2025年半ばを予定している。

高速走行が得意なe-POWERを積んだ大型ミニバン。無敵か?

電動化という意味では、新型大型ミニバンに搭載される予定の、第三世代e-POWERも日本導入が楽しみなテクノロジーだ。

画像: こちらは北米向けNISSANブランドのラインナップ。中核はやはり新型リーフだが、さまざまな形状、サイズでバリエーション豊かな様子がうかがえる。向かって左から2台目が、ローグ e-POWERだと思われる。

こちらは北米向けNISSANブランドのラインナップ。中核はやはり新型リーフだが、さまざまな形状、サイズでバリエーション豊かな様子がうかがえる。向かって左から2台目が、ローグ e-POWERだと思われる。

小型のガソリンエンジンとリチウムイオンバッテリーを組み合わせるハイブリッドだが、電動モーターで駆動する「シリーズ」であるところが特徴。走行性能はEVそのものでありながら、内燃機関を備えることで航続距離に関するネガティブ要素を払拭している。

新世代のシステムはそのツアラー性能に、さらに磨きがかかっているようだ。とくに高速走行時の燃費を最大で15%ほども引き上げることを目指しているという。今回のシステムは次期ローグに搭載されて北米市場に投入を計画しており、「電動化のNISSAN」のもうひとつの魅力をアピールすることができるかもしれない。

欲を言うなら、e-POWERつながりということで、北米ローグを「エクストレイル」として日本に導入するとか、欧州で大人気のキャシュカイを「デュアリス」として復活させるとか、余計な期待までしてしまいそうになる。

ちなみにフルバッテリーEVとして新型「ルノー5」とメカニズムを共有する「マイクラEV」も、かなり心ときめく存在になるはず。東京オートサロンで人気を博したコンセプトモデル「ハイパーパンク」のデザイン性をまじめに市販モデルに活かしたという新型「ジューク」もまた、「昔の名前で出ています」的ななつかしさと新しいもの好きのパッションをくすぐってくれそうだ。

This article is a sponsored article by
''.