「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォード クーガだ。

直5ターボは十分にトルクフルで走りやすい

画像: かつてフォードの傘下にあったボルボから供給される2.5Lの直5ターボエンジンは、けっこうパワフル。

かつてフォードの傘下にあったボルボから供給される2.5Lの直5ターボエンジンは、けっこうパワフル。

まずはエンジンをかけようと思ったが、スタートボタンが目立たない。よく探せば、センターダッシュのオーディオの上にスタートボタンがある。まるでアストンマーティンみたいだな・・・とは思わせてくれるが、もう少し目立たせてくれても良いかなと思う。ちなみに他のスイッチ類は、使用頻度の高そうなものは大きく、そうでもないのは小さくまとめられているだけに、逆にこの小ささが気になってしまう。スタートボタンは発進時だけだから、使用頻度は高くないと考えられているのだろうか・・・。

さて、そのスタートボタンをプッシュすると、最近のエココンシャスなエンジンとは違い、直5の2.5Lターボエンジンが発するサウンドはかなり重厚感のあるものだ。しかもパワフル! 驚くべきはトルクの太さで、走り出しからグイッと前に押し出される感じだ。

そのままトルクを使って楽に走れるので、エンジン回転数は5速80km/hで1600rpm、100km/hで2000rpmと低く抑えられている。だが10・15モード燃費は8.5km/Lと、けっして良い数値ではない。パワフルな2.5Lのターボエンジンだから、致し方ないところなのだろうか。それでも、ハンドリングは意外とクイックだ。車高が少し高いSUVとはいえ、普通のセダンやハッチバックから乗り換えても違和感はない。初めてのSUVとしてもおすすめしやすいドライブフィールだ。

このエンジン、かつてフォード傘下にあったボルボから供給されているのだが、いまやフォードにはエコブーストがある。これの2.3Lターボあたりを搭載すれば、もっとパワフルで好燃費なモデルも作れるのでは・・・そんな期待もさせてしまう、なかなか好印象のコンパクトSUVだった。

画像: ディフューザー風のロアバンパーやルーフエンドの大型スポイラーなどを装着して、リアビューも迫力満点だ。

ディフューザー風のロアバンパーやルーフエンドの大型スポイラーなどを装着して、リアビューも迫力満点だ。

フォード クーガ インディビデュアル 主要諸元

●全長×全幅×全高:4445×1860×1715mm
●ホイールベース:2690mm
●車両重量:1680kg
●エンジン:直5 DOHCターボ
●総排気量:2521cc
●最高出力:147kW(200ps)/6000rpm
●最大トルク:320Nm(32.6kgm)/1600-4000rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・66L
●10・15モード燃費:8.5km/L
●タイヤサイズ:235/45R19
●当時の車両価格(税込):398万円

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