「アウトモビリ・ランボルギーニ」社が生み出してきた数々の名車のレガシーを残すため、2015年に誕生した「ポロストリコ」部門。その10周年を記念し、8回に分けて同部門の事績を追ってみることにする。今回はその2回目は、レストアに対するこだわりの「第一歩」について紹介しよう。
クルマの誕生背景を尊重しながら完全オリジナルレストアを目指す
2015年4月16日の発足当時、「ポロストリコ」部門がまず手がけたのが歴史的資料の整理だった。それまで複数の部門に分散していたカタログや、技術図面、生産計画書、型式承認書、写真、販売・管理文書、公式の会社出版物などを集め体系的に分類したのだ。これ無くして、デジタルアーカイブ化の道は開けなかった。

歴史的資料の整理は、レストアに欠かせない重要な作業だ。
そして、歴史的資料のアーカイブ作業は、「ポロストリコ」部門のもうひとつの大きな役目であるレストアに欠かせないものでもあった。「歴史的、技術的、そして美的アイデンティティを尊重しながら、完全にオリジナルの状態に戻す」、を目標に構成された熟練レストア職人による特別チームへにとって、欠かせない情報源となるからだ。
歴史的資料を丹念にひもときながら作業を進めるレストアは根気のいる作業だ。1台を仕上げるのに数千時間を要するという。熟練職人にして、この時間だ。レストア車の精度の高ささを実感せずにはいられない。もちろん、外部のサプライヤーの協力も得て、作業は進められる。

レストア作業所。一般公開も行われている。車両は「ミウラ」。
レストアの模様は、「ポロストリコ」で公開されている。ただし、全貌は伏されたままだ。レストア希望のオーナーがそれを好まないためだが、ほんのわずかな部分でも、職人技の確かさを実感できるはずだ。
次回は、実際にレストアされた名車達について詳しく紹介していこう。⇨(Part3/8に続く)