8年ぶりのフルモデルチェンジの核となる1.8GL

シリーズの主力となる1.8GL。ゴルフ3では比較的コンパクトなパッケージング、資源の有効利用、高価格クルマにしか使われていなかった安全対策の”大衆車”への適用が重要なテーマとなっている。
21世紀のワールドカーを目指すゴルフには数多いバリエーションが用意されているが、その中でもっとも早い時期に日本に入ってくる可能性が高く、しかもメイン車種になるだろうと思われるのが、1.8Lエンジンに4速オートマチックを組み合わせたモデルだ。
この1.8Lエンジンは従来どおりのSOHC4気筒だが、細部は大幅にリファインされている。シングルポイントのインジェクションを採用し、試乗したプレミアムガソリン仕様は90psを発生。またレギュラーガソリンを使う75psモデルもあるが、こちらは日本には輸入されないだろうと思われる。
NVH対策には長足の進歩 ボディ剛性の高さを実感

主力となる1.8L直列4気筒エンジンは、使用燃料により75psと90psの2種類がある。
ボディサイズは現行のゴルフIIとほぼ同じ枠に収まっているが、幅は約30mm広がり、日本の5ナンバーリミットの1695mmとなっている。前後を絞り込んだデザインの結果、Cd値は0.30~0.33と優秀だが、一見するとかなり大きくなったような感じを受ける。しかし、実際に取り回してみると従来型とほとんど変わらない。サイズアップは横方向の居住性と走りのスタビリティ向上に結び付けられている。
走り出してすぐに感じられるのは、質感の大幅な向上である。音や振動に関しては、やはりゴルフ2では最新の日本車に及ばない部分がかなりの場面で見られたが、ゴルフ3では完全にその弱点がカバーされた。まずNVHのノイズとバイブレーションが大幅に減少して、音質も良くなっている。
路面からのロードノイズ的な低い音は入ってくるが、高周波の音はかなり低減され、またガシャガシャという金属音もシャットアウトされた。これによる質的なアップは相当に大きい。むしろ全体定期な音が小さくなった分、ゴーッという風切り音などが耳につくほどだ。