走るほどに先代からの進化を感じさせた

リニアトロニック搭載車は、エンジンを問わず電子制御のアクティブトルクスプリットAWDが与えられ、2.0i以外はXモードが付く。
まずはNAの2.0iSから。走り出すと、とてもなめらか。やはりリニアトロニックの恩恵は小さくない。4速ATに比べると、まったく印象は違う。発進から到達したい速度に乗せるまでにかかる時間が先代に比べて圧倒的に短くて済むようになっている。ただし、そこそこ不満なく走れるものの、3000rpmあたりまでの回転域では、ややトルクの細さを感じる。やはりNAのベストマッチは、2.5Lなのかもしれない・・・。
続いてDIT。こちらはやはりトルクの厚みが段違いで、踏み始めから力強く加速する。レガシィのDIT車よりもスペックダウンしているものの、レガシィでは4000rpmあたりまで少しトルクの薄い印象があったのだが、フォレスターのDIT車ではそれがない。下からトルクフルで、レガシィよりもむしろ乗りやすくなっている。ただし、高回転域まで回した時にトップエンドでやや頭打ち感があるのはレガシィと共通だ。
SIドライブは、NA車では2モード、DIT車では3モードから任意に動力性能を選べる。後者ではS#にセットすると、体感的にもかなり速くなるし、CVTでありながらATのような段付き感のある変速フィールとなるのも特徴だ。エンジンを問わず、静粛性は上々。先代に比べても静かさはかなり違う。

インパネは先代に比べて端正なデザインとなり、質感も大幅に向上。パネル面が低められたことで開放感もアップした。
乗り心地は先代も悪くなかったと思うが、より落ち着き感が増して上質になった。ステアリングレスポンスや転舵時のしっとり感などは先代よりもずっと上。コーナリングでやや見受けられた腰砕け感もない。DIT車は専用サスペンションが与えられ、荒れた路面ではやや乗り心地に硬さを感じるものの、コーナリングではスポーツカーに匹敵するほどの切れ味を楽しませてくれる。
試乗路はほとんどが舗装路だったが、少しだけ砂利の路面を走ることができた。するとVSCが的確に動作して、ゼロカウンターのような感覚で曲がっていけた。一連の走行性能に関する制御が、また一段とハイレベルに進化したことをうかがわせ、走り込むほどに先代からの進化を感じた。
今回はハードなオフロードを走るチャンスはなかったが、おそらく相当な走破性を披露してくれるはず。機会があれば、ぜひ試してみたい。

雪道や不整地などで走破性を向上させるための220mmの最低地上高を確保するとともに、前後とも十分な対地障害角を確保。
スバル フォレスター 2.0i-Sアイサイト<2.0XTアイサイト> 主要諸元
●全長×全幅×全高:4595×1795×1695mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1490kg<1590>
●エンジン:水平対向4 DOHC<同ターボ>
●総排気量:1995cc<1998>
●最高出力:109kW(148ps)/6200rpm<206(280)/5700>
●最大トルク:196Nm(20.0kgm)/4200rpm<350(35.7)/2000-5600>
●トランスミッション:リニアトロニックCVT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー<プレミアム>・60L
●JC08モード燃費:15.2km/L<13.2>
●タイヤサイズ:225/55R18
●当時の車両価格(税込):277万2000円<293万6850円>