2025年6月26日〜29日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャがギリシャ中部のラミアを起点としたグラベル(未舗装路)で開催され、ヒョンデのオィット・タナックが今季初優勝。2位にはトヨタのセバスチャン・オジェ、3位にはヒョンデのアドリアン・フルモーが入った。勝田貴元は金曜日の最初のステージでパンク。土曜日にはコースアウトしてデイリタイア、さらには日曜日もパンクを喫するなどして30位に終わった。

タナックが待望の勝利、トヨタの連勝がついに止まる

翌土曜日、タナックが徐々にリードを広げるなか、2番手のチームメイト、フルモーをアクシデントが襲う。午前中最後のステージとなるSS10で土手に右リアを当ててサスペンションを破損。大きくタイムロスして優勝争いから脱落してしまったのだ。

画像: 優勝したマルティン・ヤルベオヤとオィット・タナック(右)。昨年2024年第12戦セントラル・ヨーロッパ以来の久々の優勝となった。

優勝したマルティン・ヤルベオヤとオィット・タナック(右)。昨年2024年第12戦セントラル・ヨーロッパ以来の久々の優勝となった。

これでオジェが2番手に浮上。フルモーは3番手に後退したものの、直後にサービスが設定されていたこともあってリタイアは免れた。

これで3戦連続してタナック対オジェの優勝争いとなったが、今回のヒョンデは速かった。タナックはステージごとにオジェとの差を広げ、土曜日終了時点でその差は43.6秒と決定的になった。

約100kmの距離を残した日曜日、タナックはペースをコントロールしながら、オジェとの差をキープ。最終パワーステージではステージ後半にギアボックストラブルに見舞われたこともあって、日曜日単独首位とパワーステージ首位こそ逃したものの、無事にフィニッシュ。昨年の第12戦セントラル・ヨーロッパ以来の優勝は、ヒョンデにとっても待ちに待ったシーズン初勝利となった。

殊勲を挙げたタナックは「路面がラフで、気温も高く、信じられなくらい厳しいラリーだった。でもそんな中で、タイヤを保たせて、いいパフォーマンスを発揮するという両極端の課題をうまくまとめられた」と満足気。

一方、3連勝を逃したオジェは「今回はオィットが素晴らしく、チャンスはなかった」とライバルの速さに脱帽するしかなかった。

これでドライバーズ選手権は、4位に終わったポイントリーダーのエバンスの獲得ポイントが150点にとどまる中、限定参戦のオジェは9点差の141点、今回30点を獲得したタナックは138点となり、エバンスから12点差に急接近した。

This article is a sponsored article by
''.