「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、キャデラック ATSだ。

低回転域からトルクフルで軽やかに加速

画像: 最大トルクを発生する1700rpmから軽やかな加速が続き、そのトルク感はなかなかたくましい。

最大トルクを発生する1700rpmから軽やかな加速が続き、そのトルク感はなかなかたくましい。

日本仕様に搭載される2.0Lの直噴ターボエンジンは、最高出力276ps/最大トルク353Nmと、クラストップレベルのパワースペックを発生している。日本仕様は左ハンドルの6速ATのみとなるが、17インチタイヤを履く「ラグジュアリー」と、18インチタイヤを履きマグネティック ライドコントロールを装備する「プレミアム」の2グレードが設定される。

ドイツでの試乗車は日本仕様のプレミアムにあたるモデルだった。まず感じたのは、加速直後からのたくましいトルク感。1700rpmから最大トルクを発生するだけのことはあり、アウトバーンではそこから軽やかな加速フィールが続く。腰下には路面をガッシリと捉えるフラット感もしっかりある。

そしてワインディングロードに入ると、ステアリングの手応えはもう少し強めがいいと思われる点もあったが、リアサスの粘り強さでコーナーの立ち上がりもシャキッとしており、なかなか爽快。試乗日2日目は雨模様だったが、静粛性も高く、快適なドライブを楽しめた。

インテリアでは、手触りのよいレザーで仕上げられ、業界初のスマートフォン感覚で扱えるインターフェイス「CUE(キュー)」を採用したことで独特の近未来感を演出している。指を近づけると文字がパッと浮かび上がるインパネなど、キャデラックらしさが味わえる。キャデラック初のDセグメント セダン、ATSがドイツ勢のライバルにどう対抗していくのか、今後の展開が楽しみだ。

画像: 試乗車は6速MTだったが、日本仕様は6速ATのみ。ハンドル位置も左のみの設定となっている。

試乗車は6速MTだったが、日本仕様は6速ATのみ。ハンドル位置も左のみの設定となっている。

キャデラック ATS プレミアム(日本仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4680×1805×1415mm
●ホイールベース:2775mm
●車両重量:1600kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1998cc
●最高出力:203kW(276ps)/5500rpm
●最大トルク:353Nm(36.0kgm)/1700-5500rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・62L
●EU複合モード燃費:12.2km/L
●タイヤサイズ:前225/40R18、後255/35R18
●当時の車両価格(税込):499万円

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