このペースマンにも、MINIのDNAはしっかり根付いていた

とにかくフラットで乗り心地がいいのに好印象。テールランプなどはクロスオーバーとはまったくの別デザインだ。
グレードはクーパーとクーパーS、それとヨーロッパ専用のクーパーD、クーパーSDというディーゼル搭載車も設定されている。今回、国際試乗会の会場となったマヨルカ島に用意された試乗車は、クーパーSのみだった。試乗車がクーパーSで統一されたのは、MINI側の思惑があるのだろうと感じられた。
というのも、最高出力122psのクーパーではクロスオーバー系のボディは少々重すぎて、MINIらしい「ゴーカートライクな走り」に水をさす。オプションのパドルシフトがあれば問題ないかもしれないが、クーペボディのペースマンで重さを感じたら、メディアの評価は下がってしまうだろう。
では、クーパーSのペースマンはというと、「やっぱりMINI!」という気持ち良い走りを見せてくれた。出足からターボ全開で初速も中間加速も期待以上のものを発揮してくれる。それにとにかくフラットで乗り心地がいい。このペースマンにも、MINIのDNAはしっかりと根付いていたことに感心させられた。
ペースマンの試乗の後、サーキットでMINI ジョン・クーパー ワークス(以下、JCW)GPなるモデルに試乗することもできた。これは、ハッチバック モデルのMINI JCWをサーキットで走らせるために作られたという。。そのため、ボディと足まわり、そしてパワートレーンにも手を加えている。モノチューブの倒立式ダンパーに6ポットのブレーキなど、走り系の特別装備がテンコ盛り。とにかくサーキット走行が楽しいモデルだった。

ペースマンの試乗後、サーキットで試乗できたMINI ジョン・クーパー ワークス GP。サーキット走行に最適なセッティングで走りが楽しめた。
MINI クーパーS ペースマン(日本仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4125×1785×1530mm
●ホイールベース:2600mm
●車両重量:1370kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1598cc
●最高出力:135kW(184ps)/5500rpm
●最大トルク:240Nm(24.5kgm)/5500rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・47L
●JC08モード燃費:16.2km/L
●タイヤサイズ:205/55R17
●当時の車両価格(税込):362万円