強化されたエアロダイナミクスでブレーキやハンドリング性能も向上
レーシングマシン「ポルシェ911GT3R」は2023年初頭のデビュー以来、世界各地で開催される「GT3シリーズ」に500回以上出場し、数々の勝利とタイトルを獲得するなど、素晴らしい実績を誇る。

エアロダイナミックスへにこだわりを見せた2026年シリーズモデル。
2024年シーズンを例にとれば、カスタマーチームが「インターコンチネンタルGTチャレンジ」でメーカーによる非公式のGT3世界選手権を獲得し、「ニュルブルクリンク・ロングレースシリーズ(以下NLS)」では8レース中6レースでチェッカーフラッグを獲得、そして「ル・マン24時間レース」ではクラス優勝を飾っている。
この「ポルシェ911GT3R」にさらに何が必要なのだろう? そんな疑念がわくのは普通だが、ポルシェは飽くなき進化をこのレーシンマシンに注ぎ込み、2026年シリーズモデルをリリースしてきた。パワーソースは、従来どおりの4.2L水平対向6気筒エンジン(最高出力557hp<416kW>)。
2026年シリーズモデルの最大の特長はエアロダイナミクスの向上だ。フロントホイールアーチの上部に追加されたベンチダクト、いわゆるルーバーがキーとなる。ルーバーは減速時の空力バランス保ってくれるため、ブレーキング中のフロントダイブが極力抑えてくれるという。

4mm厚のガーニーフラップが装備されたスワンネックリアウイング。
リアに目をやると、スワンネックリアウイングに4mm厚のガーニーフラップが装備されている。これは強力なダウンフォースの発生を促し、空力バランスの調整範囲を広げる役目を担う。マルチリンク式リアアクスルの改良も行われ、第5世代のボッシュ製レーシングABSとの組み合わせにより、これまで以上にバランスのよいハンドリングを提供してくれるそうだ。
他には、電動油圧式パワーステアリングシステムの追加やブレーキ冷却システムやドライバーエアベントの改良なども行われる。