アキュラは2025年8月12日(現地時間)、マーベル映画「アベンジャーズ」で登場した「アキュラNSXロードスター」を、世界最大級の自動車&モータースポーツ愛好家の集いであるモントレー・カー・ウィークで10年以上ぶりに一般公開すると発表した。

NSXとはどんなクルマだったのか、その真価と背景

簡単にNSXの歴史を振り返っておこう。初代NSX(NA1型)は、ホンダがフェラーリやポルシェと真っ向勝負する意志を持って1990年に送り出した、日本初の本格スーパーカーだ。

世界初のオールアルミボディ、そして高回転までスムーズに吹け上がる自然吸気VTECエンジンなどの先進技術を搭載。スーパーカーのパフォーマンスを持ちながら、ホンダらしい信頼性・日常性にも配慮された「誰もが乗れるスーパーカー」であった点が最大の魅力である。

劇中のロードスターは、この初代NSXをベースにしている。初代の堅牢なプラットフォームがあってこそ、劣化した中古車ながら映画用に転用できたことは興味深い。

画像: 1991年9月、バブル経済の崩壊とともに登場した初代NSX。価格は当時、824万3090円(3%税込・東京地区販売価格)だった。

1991年9月、バブル経済の崩壊とともに登場した初代NSX。価格は当時、824万3090円(3%税込・東京地区販売価格)だった。

2016年に登場した2代目NSX(NC1型)は、ハイブリッド4WDという初代とは全く異なるアプローチで復活したモデルである。

3.5L V6ツインターボエンジンに、9速DCTとリアモーター、そしてフロントの左右を独立して駆動する2つのモーターを組み合わせ、システム最高出力は581psを発生。強大なパワーと緻密なトルク制御を実現し、トルクベクタリングや瞬発力、レスポンスを両立させている。

2代目はオハイオ州の専用工場でひとつずつ手組みされるなど、徹底した作り込みが特長だ。後に登場する「Type S」と呼ばれる限定モデルは610psを発生し、専用エアロや軽量化などの強化を果たし、2代目NSXの総仕上げたる存在になった。

画像: 2016年、26年ぶりにフルモデルチェンジした2代目NSXが登場。価格は2370万円(8%税込)だった。

2016年、26年ぶりにフルモデルチェンジした2代目NSXが登場。価格は2370万円(8%税込)だった。

アキュラNSXロードスターは2026年チャリティオークションに出品

展示はモントレー・カーウィークの中でも特に選ばれし“ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング(The Quail, A Motorsports Gathering)”である。ここでは2012年以来、初となる実車公開となるロードスターをじっくりと見られる極めて貴重な機会となる。

画像: リアセクションはオープン化にあたり、オリジナルで製作されている。

リアセクションはオープン化にあたり、オリジナルで製作されている。

このザ・クエイルでは、そのほかにも1995年式NSX-Rや1999年式ザナルディ エディションなどのNSXのモデルや、同ブランドの次世代全電動プレミアムパフォーマンスSUVの先駆けとなる新型RSXプロトタイプも展示される。

さらに、アキュラはこのロードスターを2026年にチャリティオークションに出品する予定。収益は慈善団体へ寄付される見込みで、非営利目的のクルマ所有に貢献するユニークな機会となる。2025年のモントレー期間中、早期入札希望者の登録受付も開始するという。

今回のモントレー・カーウィークでの展示は、ホビー層のみならず、クルマ文化全体に向けた話題性あるイベントである。映画のアイコンと、実際のクルマとしての信頼性が融合した「NSXロードスター」は唯一無二の存在だ。

さらに、初代NSXと2代目NSX、その両極に位置するそのクルマの重なりを見せる展示構成に、NSXというブランドへの敬意と未来への期待が込められている。

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