日産自動車株式会社は2025年8月26日(火)、R35 GT-Rの生産が終了したことを発表した。同日、栃木工場においてオフライン式が開催され、CEOのイヴァン・エスピノーサ氏は「GT-Rは進化し、再び登場するでしょう」と語った。終わらないレガシーは、新しい時代へと確かに引き継がれていく。

雨でも雪でも、高性能がすべてを「スポーツフィールド」に変えた

約4万8000台が生産されたという。日本を代表する高性能スポーツカーの象徴として、18年間に渡って進化し続けてきたR35型GT-Rのラストワンモデルが、2025年8月26日、惜しまれつつ、けれど晴れがましくラインオフを果たした。

画像: 全販売台数の64%が海外で販売されたという。日本以上に、グローバルでの「スーパーカー度」が高かったのかもしれない。

全販売台数の64%が海外で販売されたという。日本以上に、グローバルでの「スーパーカー度」が高かったのかもしれない。

改めて振り返れば「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」というコンセプトは、実に挑戦的なものだった。そして開発陣が込めた思いどおりどんなコンディションの道にもどれほど過酷な天候でも、R35の高性能はまさにさまざまな限界を超えてドライバーを魅了した。

卓越した全輪駆動制御を現した「ATTESA ET-Sシステム、革新的な空力設計などにより、公道でもサーキットでもR35の走りは刺激的であり、同時に空前絶後のドライバーコンシャスを実現していた。一方で、一般的な市販車ならフルモデルチェンジ2回分以上のモデルライフは、日本のクルマの「高性能が進化していく」歴史だったとも思える。

たとえば約4万8000台分に搭載されたすべてが熟達したスペシャリストにより手作業で組み立てられたVR38DETTエンジンは、モデルイヤーごとに改良が加えられた。時代の変化にふさわしいパフォーマンスを達成するために、480psから始まった最高出力は2017年モデル以降は570psに向上、2014年に新たに設定されたNISMOモデルでは、600psに達した。

モータースポーツシーンでの輝かしい成績が、スポーツカーとしてのカリスマ性を育てる。NISMOはまさにその申し子のような存在であり、GT3レースカー仕様のターボチャージャーや高精度・重量バランスを徹底した各種部品(ピストンリング、コンロッド、クランクシャフト、フライホイール、クランクプーリー、バルブスプリング)によって、回転数の向上とターボのレスポンス向上を実現、ニュルブルクリンクのタイムアタックでは量産車としてもライバルを圧倒してみせた。

画像: スーパーGTでの活躍はもちろん、スーパー耐久でもシリーズを席巻していた。

スーパーGTでの活躍はもちろん、スーパー耐久でもシリーズを席巻していた。

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