2025年9月2日、三菱自動車工業(以下、三菱)が技術支援するチーム三菱ラリーアートは、タイで開催されたアジアクロスカントリーラリー(以下、AXCR)2025の優勝報告をメディアに向けて行った。
2026年はディフェンディングチャンピオンとして連覇を目指す

報告会場のAXCR参戦ラリーカーは残念ながらレプリカだが、右のトロフィーは本物だ。
だが、増岡総監督によると今回のAXCRは路面がタフで、初日に小出選手が前車と衝突したり、3日目に田口選手がサスペンショントラブルで遅れるなど、序盤からなかなか大変だったようだ。
チャヤポン選手もスタックやラジエタートラブルもあったが、小出選手のクイックサポート(参戦車だがサポートカーも兼ねている)やメカニックたちの頑張りでタイムロスを最小限におさえることができた。こうしたチームワークの強さが、今回の勝因だったという。
もちろん、フロントサスペンションのストロークを増やすとか軽量化を図るとかといった、マシンの改良も奏功しているのは間違いない。ライバル車はトライトンより排気量が大きいものが多いが、トライトンの良さであるハイスピードコースの安定性とワインディングロードでの操縦性を磨くことで、アドバンテージを築くことができたのも勝因のひとつだ。
今回のAXCRには、三菱をはじめトヨタ、いすゞ、そしてフォードが新たに参戦した。2026年以降は、さらに熾烈な闘いが展開されると思われる。ディフェンディングチャンピオンとなる三菱にとって、勝ち続けるというハードルは高くなったが、スポンサーやパートナー企業の協力も受けて、2026年も連覇を目指して頑張りたいと語る増岡総監督。既に2026年のAXCRに向けての闘いは始まっているようだ。

AXCR 2025の優勝ペア、チャヤポン選手(右)とピーラポン選手。