「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、プジョー 208(初代・3ドア)だ。

新開発の3気筒エンジンの出来は良いのだが・・・

画像: 小径ステアリングホイールの上からメーターを見る、独特のインパネ。タッチスクリーンはナビをインストールできる予定だ。

小径ステアリングホイールの上からメーターを見る、独特のインパネ。タッチスクリーンはナビをインストールできる予定だ。

最高出力は82psとは思えないほどパワーもしっかり出ているが、低回転域から十分なトルクを発揮してくれるので、日本の交通事情でも非常に扱いやすいものとなっている。ストップ&ゴーに渋滞や坂道が意外と多いパリ市内から丘陵地帯が続く郊外といったフランスの交通事情は、日本のそれと意外と似かよったところがあると以前から思っていたのだが、まさにそれがぴったりマッチしたという感じだ。

ただし問題なのは、トランスミッションが5速MTしか選べないということ。日本の場合、このコンパクトカーのクラスはCVT天国。2ペダルのAMTならまだしもMTしかないというのは、販売的にはかなり難しい。しかもストロークが大きい普通のMTなので、スポーティという雰囲気もやや薄まる。プレミアムとほぼ同じ豪華装備で199万円という車両価格はかなり魅力的だが、5速MTだけでは正直きびしいだろう。

その点、同じ3ドアなら同時に導入された1.6Lターボエンジンに6速MTを組み合わせた「GT」の方が有利だ。パワフルかつ熟成を重ねた信頼度の高いエンジンに、6速MTはガチガチというほどではない適度なショートストロークのタッチがいい。フランス車らしい粘りのある足も楽しめる。プジョーのMTでファンtoドライブを味わいたいのなら、価格は高くなるがこちらを選びたいところだ。

画像: GTは、専用の大型リアルーフスポイラーや45偏平の17インチタイヤにアルミホイールも標準装備して、スポーティなイメージを増幅している。

GTは、専用の大型リアルーフスポイラーや45偏平の17インチタイヤにアルミホイールも標準装備して、スポーティなイメージを増幅している。

プジョー 208 アリュール<GT> 主要諸元

●全長×全幅×全高:3960×1740×1470mm
●ホイールベース:2540mm
●車両重量:1070kg<1200>
●エンジン:直3 DOHC<直4 DOHCターボ>
●総排気量:1598cc
●最高出力:60kW(82ps)/5750rpm<115(156)/6000>
●最大トルク:118Nm(12.0kgm)/2750rpm<240(24.5)/1400-3500>
●トランスミッション:5速MT<6速MT>
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●JC08モード燃費:19.0km/L<15.2>
●タイヤサイズ:195/55R16<205/45R17>
●当時の車両価格(税込):198万円<258万円>

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