2025年9月16日(現地時間)、ポルシェAGは、2025年末に発表予定の新型SUV「カイエン・エレクトリック」の最終テスト走行の模様を公開した。「カイエン・エレクトリック」はこれまで以上にデジタルシミュレーションを活用して効率的に開発が進められ、最終テストではエンジニアの手によって氷点下や灼熱の環境など限界領域での走行が続けられている。
最新鋭の複合試験ベンチで実走行時の負荷をシミュレーション

全く新しく開発された複合試験ベンチでは、駆動系、バッテリー、エネルギーマネジメント、充電システムを現実に近い条件下で同時にテストすることができる。
ポルシェによれば、シミュレーションと人工知能は、車両開発のプロセスを根本的に変え、開発期間を大幅に短縮することに成功したという。駆動系、バッテリー、エネルギーマネジメント、充電システムを現実に近い条件下で同時にテストすることができるテストベンチを開発し、バーチャルでニュルブルクリンクの限界性能からパリの渋滞路、砂漠やぬかるんだ道など、あらゆる世界中の道を走行。最新の飛躍的に向上した計算能力と、ヴァイザッハのエンジニアが数十年にわたる実地試験で培ってきた経験を駆使して、開発は順調に進められた。
開発初期段階ではデジタルでコンポーネンツを制作し、VR(バーチャルリアリティ)を用いてテストを開始。その後、実際のリアルなコンポーネンツを用いたベンチ試験によって何度も検証が重ねられ、いくつものプロトモデルが試作され、プログラムによってさまざまな路面状況、加速抵抗、さらには回生やブレーキング時に発生する力が正確に再現された。
「どんな環境条件も完全にシミュレーションすることができるこの装置は非常に高度で、異なるアスファルト路面やタイヤのスリップまで再現可能です。私たちのテストプログラムはその要求水準において他に類を見ないものです」とエンジニアのマーカス・ユニゲ氏は語る。

複合試験ベンチでのシミュレーションで得られたデータは、人工知能と、ヴァイザッハのエンジニアが数十年にわたる実地試験で培ってきた経験により解析される。