走りもルックスも、価格設定までダイナミックに進化
TEEMOは2025年10月以降発売の、トヨタのBEV/PHEVを対象にサービスを開始する。トヨタ独自の、充実の充電インフラの恩恵を真っ先に体験できるのが、一部改良で魅力を増した「bZ4X」だ。

寒冷地域での充電性能劣化は、 BEVにとってひとつの大問題だった。新型bZ4Xは「バッテリープレコンディショニング」機能によって、厳しい環境下でも素早い充電を可能にしている。
進化のテーマは3つ。「もっと使いやすく」「もっと乗りやすく」「もっとかっこいい」。とってもわかりやすい。
新型bZ4Xでは、一充電あたりの航続距離が向上された。74.7kWhの仕様で、バッテリーのセル数を従来の96個から104個として総電力量をアップ。さらに効率よく駆動に使うために、eAxleのエネルギーロスを約40%削減している。結果、4WDで687km、FWDで746kmを実現した(WLTCモード)。
使いやすさに直結しそうなのが、低温での急速充電時間の短縮だろう。バッテリーを予温できるバッテリープレコンディショニング機能を搭載することで、外気温が極めて低い環境でも短い時間での急速充電が可能になった。たとえば-10℃の外気温下で150kW急速充電を行った場合、10%から80%までの充電が約28分で済むという。

水平基調の薄くシンプルなインストルメントパネルが、広さを演出。新しいデジタル体験を提供できるコンソール類を採用する。
効率を高めたe-Axleは同時に、パフォーマンスの向上にもつながっている。4WDモデルはフロント側の出力を従来型の約2倍に向上、システム最大出力は252kWh(342ps)に達する。0→100km/h加速は従来の6.9秒から一気に5.1秒まで縮まった。
4段階の減速度をパドルシフトでコントロールできる回生ブレーキの改良とあいまって、さらにダイナミックな走りが楽しめそう。精悍なハンマーヘッド形状など、スポーティ感を増したフロントマスクをまとう新型bZ4Xは、中身も見た目もしっかり「もっとかっこいい」。

eAxleは応答性に優れるモーターを最大限に活用。新型はZ 4WDモデルのフロント側をパワーアップ、システム最大出力は342psに達する。ZのFWDは224ps、GのFWDは167psだ。
最後に付け加えておくと、新型bZ4Xは「価格面でも魅力的な選択肢」を謳って価格を改定。「G」はFWDモデルに絞られて70万円ダウンの480万円に、上級の「Z」も50万円ダウンのFWD:550万円/4WD:600万円となった。
これにエコカー減税(約3万円)、グリーン化特例(約1.85万円)、CEV補助金(90万円)を合わせた補助金約94.85万円を反映した後の価格は、同クラスのハリアーHEVや現行型RAV4などと同程度としている。
トヨタは、額面のコストだけでなく、いわゆる「Total Cost Ownership:TCO」という視点での価値の向上を目指している。そこには保有期間のエネルギーコストや税金なども加味される。要は、「お金をかける納得感」につながるさまざまな進化が、トヨタブランドのBEVの可能性を大きく広げていく、というわけだ。