クラフツマンシップの見事な共鳴。木と音、そして時間を超える作品に
今回のコラボレーションは、単なるデザインコラボにとどまらない。両ブランドは互いの工房を訪問し、木工技術やヴェニアリングのノウハウを共有。素材の選定、塗装、仕上げの手法に至るまで、互いのクラフツマンシップを学び合い、時を超えて受け継がれる作品づくりを目指した。

ピアノブラック・ヴェニアが広がる上質な空間。楽器のように精巧なディテールが運転の高揚感を誘う。
ベントレー モーターズ コミュニケーション&D&I最高責任者のウェイン・ブルース氏は、「音楽とモーションをクラフツマンシップで結ぶ“世界の融合”」と表現。さらに「フライングスパー スピードとスタインウェイのウルトラブラック/ウルトラホワイト・エディションの組み合わせは、希少性と永続的な美を具現化した象徴だ」と語った。
一方、スタインウェイ&サンズ ヨーロッパ社長のグイド・ツィマーマン氏は、「伝統を尊重しながら新たな表現を探求する姿勢を体現した」とコメント。ピアノを“楽器でありアートピースでもある存在”として位置づけ、クラフツマンシップと美の融合を強調した。

純白のピアノとアークティックホワイトのボディが響き合う。

クロームとピアノブラックが織りなす艶やかな操作系。時を刻むアナログクロックがクラフトの象徴となる。
今回の発表を皮切りに、フライングスパー スピードとウルトラブラック/ウルトラホワイトの2台のスタインウェイ・グランドピアノによる「黒と白のトリオ」が、ヨーロッパ各地を巡る特別コンサートツアーを展開する予定だ。クルマと音楽という異なる芸術領域が、舞台と街をまたぎ、感性を刺激する新たな体験を提供する。
ベントレーは創業者W.O.ベントレーの理念「ラグジュアリーとパフォーマンスの両立」を原点に、クラフトとテクノロジーの融合を進めている。2035年までに全モデルを電動化する「Beyond100+戦略」を掲げる今、同ブランドがスタインウェイとともに“未来のクラフツマンシップ”を体現した意義は大きい。
ピアノの響きとエンジンの鼓動。音楽とモーション、クラフトとテクノロジー。その交差点に立つのが、今回の「ベントレー×スタインウェイ」という特別な協奏曲である。

フライングスパー スピードとスタインウェイの黒いグランドピアノが並ぶ。精密な造形と音の芸術が同じ空間で共鳴する、美と技の競演だ。